福岡市は、150万人の人口を有し、大阪以西では最大の都市だ。企業や行政機関に加え、大学・専門学校なども多い。若い人が多い活力ある街という印象を持たれている。一方、車で30分も走れば、自然あふれる地域が広がり、退職後は、福岡市に移住したいと考える人も少なくない。しかし、その福岡市の市政はというと、飲酒運転をはじめ市職員の不祥事が絶えず、その根本原因の1つが、高島宗一郎市長の資質・姿勢にあるという声が高まっている。二元代表である議会はどのように考えているのか。今回は、みらい福岡代表の笠康雄市議に話を聞いた。
<行政は公明正大にあるべき>
――みらい福岡は与党会派ですが、執行部に対しては、どのようなスタンスで、いらっしゃいますか。
笠康雄市議(以下、笠) 私たちの会派は、会派として個々の議員にあまり拘束をかけることはありません。それは、政策の方向性を同じくする個々の集合体であるからです。他会派の動きをあれこれ言うこともありません。また、3月議会が終わるまでは、会議の議題として市長選挙を挙げるつもりもありません。その後に、今後の方向性を考えることになります。もちろん、私たち会派の主張の行財政改革について、高島市長がどれほど理解を示し、具体的に政策として実行してこられたかという点が、最大の判断基準になると思います。
――先生は昨年、中央保育園問題について質問されていますが、どういうお立場でしょうか。
笠 私は監査委員ですが、監査委員は議員としての立場を外れてやっています。中央保育園の住民監査請求が提起された期間中は、当局とも一切接触せず、自分に枠をはめてきちんと対応しました。就任した以上は責任を持って職務にあたります。監査結果が出た後、請求人の方がお礼を言いに来られましたが、私は監査委員として中立公正に職務を遂行しただけです、とお伝えしました。
瑕疵という言葉を使うのが妥当なのかどうかわかりませんが、手続き上大きなミスをしている以上は瑕疵に近い。経営会議で決めたことは、行政マンは公明正大に淡々と手続きを進めていかねばなりません。市長が決めた以上は、決まったことはきちんとやるべきです。しかも、公正に土地を更地評価したのであれば、更地評価で買うべきであり、駐車場といえども2階建ての建物が建っていたわけですから、当然移転補償費を支払うべきです。それをどうして支払わなかったのでしょうか?
もし、この土地を大手の不動産会社が持っていたら、当然請求可能な権利を放棄したということで、株主代表訴訟を起こされます。会社に損害を与えていたとして。たいていの不動産会社なら、移転補償費をもらえることは知っているはずです。そういう行政手続き上のミスが多すぎます。また、中央保育園の建設一時中止による工事費増に対する北洋建設からの請求についても疑問があります。その根拠となる理由を、もっとわかるようにオープンにすべきです。行政に対して公金支出だから、市民にわかるようにしなさいと言っています。そこに疑念を持たれたら、税金を納めたくないなど、市民の間に不信感が生まれてきます。福岡市は、適切な行政手続きのもとで物事を動いているということを、市民に理解してもらうことが、納税意識を高めるうえで必要であります。
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