島根県は昨年7月に首都圏在住者を対象に「行ってみたい都道府県」の観光認知度調査(第1回)を実施した結果は第11位であった。引き続き10月に実施した第2回は14位に後退したものの、今年1月に実施した第3回の調査では第10位に躍進していることがわかった。ちなみに九州では4県がベストテン入りしている。
第3回の調査は首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)の1都3県の20~60代の男女を対象にインターネットで実施したもので、3,107人が回答を寄せている。
<この調査から見えるもの>
・島根県が第10位に躍進したのは、20年に一度の伊勢神宮よりも、60年に一度行われる出雲大社の「平成の大遷宮」に軍配が上がった格好だ。
・調査対象者が首都圏であり、遠くに行きたいとの願望からか、近くの県のランクは相対的に低くなっている。そのため北の北海道が第1位、最南端の沖縄が第2位、金閣寺・銀閣寺・清水寺など神社仏閣の多い京都府が第3位で、このトップ3は不動の地位を占めている。
・第4位、5位、6位に南国の鹿児島県、九州西端の長崎県、福岡県と続き、第9位が宮崎県で、九州では4県がベストテン入りを果たしている。
・島根県の躍進の大きな原動力となったのが出雲大社(島根県出雲市)だ。約5年間の歳月をかけ、本殿(国宝)の檜皮葺屋根の葺きかえなどの大改修を終え、5月10日大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)を本殿に戻す60年ぶりの本殿遷座祭を執りおこなった。
・また天照大神(あまてらすおおみかみ)を祭る伊勢神宮(三重県伊勢市)が昨年10月2日、20年に一度の「遷御(せんぎょ)の儀」を執り行なっており、その相乗効果もある。出雲大社の「平成の大遷宮」がテレビやマスコミからも「縁結びの神」として大々的に取り上げられ、パワースポットとして女性観光客のハートを射止めたことが功を奏した格好だ。
因みに出雲大社を訪れる参拝者は前年の2.3倍の804万人を記録しており、県観光振興課は「5月以降の伸びが今も続いている」と分析している。
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