九州経済連合会は、2012年6月に台湾最大規模の経済団体・中華民国工商協進会と締結したMOUに基づき、同団体を中心とした訪問団を九州へ招聘。先月下旬、福岡市内のホテルで、「九州・台湾経済交流事業」と銘打って、セミナーや商談会、交流会、企業視察などを行なった。
訪問団には、駱錦明・理事長、黄茂雄・名誉理事長、陳冲・総統府最高顧問(元行政院院長)、呂正華・經濟部工業局副局長をはじめ、企業、若手経営者も多数参加。訪台団は約60名、商談参加企業は約20社と、当初予定よりもかなり増えたという。
九州・台湾ビジネス商談会では、九州経済連合会の麻生泰会長が「九州、台湾間でビジネスのパイプがより一層太くなることを期待している」と挨拶。中華民国工商協進会の駱錦明会長は「台湾企業との連携は、日本企業にとって今後、中国大陸の市場に参入しやすくなるというメリットもある。交流を活発化させたい」と、今後の日台ビジネスのさらなる発展を誓った。会には金融億貿易有限公司や、立光化工、好信国際貿易股份有限公司が出展。日本企業側と密度の濃い商談を繰り広げた。
セミナーでは、「日台の経済貿易交流」について、陳冲・総統府最高顧問がスピーチを行なった。「九州・台湾双方の投資環境・産業状況」、「企業の取り組み紹介や観光事情」についてもプレゼンテーションが行なわれ、九州経済産業局国際部の星野雄一部長が「九州のビジネス環境」、呂正華・經濟部工業局副局長が「日台産業の現状」というテーマで講演。また、雄獅旅行社の顔子欽総経理が「台湾の観光の魅力」、久光製薬の野田雄比古国際事業部長が「久光製薬の取組」、安川電機アジア統括担当の柳瀬重人氏が「安川電機の取組」について話すなど、広範囲におよぶ内容のセッションが繰り広げられた。夜には交流会も開かれ、福岡県・小川洋県知事をはじめ、九州経済連合会・松尾新吾名誉会長、中華民国工商協進会の黄茂雄名誉理事長らが挨拶に立った。九州、台湾の若手経営者同士の交流も行なわれ、情報交換や懇親が深まった。交流会を終えた訪問団は、博多港や久光製薬を視察し、台湾へ帰国した。
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