放置された産業廃棄物の処理をめぐって、地場建設業者らが揺れている。この問題の発端となったのは、福岡県より行政処分を受け、事実上廃業している元産業廃棄物処理業の(株)ダイフク(福岡県春日市)。なぜ、今になって新たな動きが出てきたのだろうか。
同社が行政処分を受けた原因は、産業廃棄物の過剰保管及びその放置を続けたことにある。まず、2006年11月に焼却施設(福岡県広川町)で産業廃棄物の過剰保管が確認。さらに、07年1月には積替保管所(福岡県篠栗町)でも過剰保管が確認された。08年9月には、過剰保管に対する改善命令が出されたが、計画的な改善措置が履行されることはなく、県は09年1月に同社の産業廃棄物関連の許可を取り消した。
その後、県は放置産業廃棄物から発煙を確認。緊急代執行(覆土による発煙鎮静化)が行なわれ、同社及び経営幹部らに対して度重なる措置命令(廃棄物の全量撤去及び適正処理)が出された。しかし、いずれの期限までにも状況は改善されず、10年10月には実質的経営者を刑事告発するに至っている。
放置産業廃棄物の処理が望まれるなか、13年10月に同社へ産業廃棄物の処理を依頼した建設業者らに対し、県は自主撤去の協力を要請。これにより、事態は動き出した。
| (中) ≫
※記事へのご意見はこちら