ネットアイビーニュース

NET-IB NEWSネットアイビーニュース

サイト内検索


カテゴリで選ぶ
コンテンツで選ぶ
会社情報

政治

私怨で動く野党再編
政治
2014年3月11日 14:55

<コップの中の争い>
 みんなの党の渡辺喜美代表が安倍晋三首相に近寄った後、今度は日本維新の会の石原慎太郎共同代表にすり寄っている。自民党を離党した時は、自民党なるものを批判し、「リベラルの旗手」を標榜した渡辺氏。だが、いまやすっかり保守政治家きどりだ。
 集団的自衛権についても、これまで頑なに反対していたのに、いきなり認める方向に。代表の変節にうろたえる周辺に対しては、「政策は方便にすぎない」と平気で言い放った。
 そんな渡辺氏の当面の目的は、結いの党潰しだ。あの憎たらしい江田憲司氏に、なんとか一矢むくいたいと願っている。それこそ、そのためには悪魔と手を結んでもいいとさえ思っているに違いない。

sora_29.jpg 悪魔といえば、かつて野中広務氏が「悪魔にひれ伏してでも」と言ったことがある。野中氏から「悪魔」と呼ばれたのが小沢一郎氏だ。3%から5%への消費税アップが原因して、98年の参院選で自民党は大敗した。その結果、衆参で過半数を割ることになってしまったが、この状態をなんとかしなくては...と、野中氏は腐心した。そこで彼は禁じ手を使う。蛇蝎のごとく嫌っていた自由党代表の小沢氏に頼ったのだ。

 その結果成立したのが99年の自自連立である。だが野中氏の目的は、これではなかった。自自連立は実際のところ、後の公明党との連携の布石にすぎなかったのだ。自民党にとって、いきなり公明党と1対1の連携には、内外からの不協和音が大きかった。そこでそれを「薄める」意味で、自由党をかませる必要があった。

 その後、小沢氏らは連立与党を離れ、自民党と公明党の団結は14年間も続いている。公明党は自民党と連携することで与党の旨味を味わい、自民党は公明党から一定の票をもらう。そのために野中氏は悪魔にひれ伏した。自民党が安定政権を保持する基礎を作ったのは、野中氏だといっても過言ではあるまい。

 渡辺氏も「目的のためなら相手を選ばない」という点では野中氏と同じだ。ただしその目的のスケールが違いすぎる。その原動力は個人的な恨み。たとえばこういうことで見てとれる。

 3月4日と5日に、民主党の松原仁国対委員長はみんなの党の山内康一国対委員長と会談し、野党国対委員長会談から日本維新の会を外すことで一致した。松原氏は6日の会見で「みんなの党から申し入れがあった」と言い、渡辺氏は7日の会見で「民主党サイドからそういう提案をしてほしいという話があった」と述べている。

 双方の言い分は異なっているが、事実はこうらしい。
 「維新はずしは結いの党つぶしのひとつだ。江田氏は結いの党と維新が一緒になることを目指して動いているが、渡辺氏はどうしても江田氏の邪魔をしたい。その証拠に、松原氏と山内氏が会った直後、まず山内氏がベラベラと喋っている。あれは民主党からの誘いではなかった証拠だ。真相は渡辺氏が山内氏に命じて松原と会談させた」(みんなの党関係者)
 これらを見ると、渡辺氏が保守を自認するのはリベラルな江田氏へのあてつけであることがよくわかる。

<日本維新の会も尋常ではない>
 3月6日、同党のエネルギー調査会で、石原慎太郎共同代表が1年生議員に「出ていけ」と言われる騒ぎがあった。

kokkai2.jpg もともと原発推進派の石原氏は、この会でも持論を展開。原発輸出を可能にする原子力協定に反対する日本維新の会の方針を批判し、「私は賛成する」と述べた。
 それに批判の声を上げたのが、橋下徹共同代表の側近らで占める大阪系の浦野靖人衆院議員だ。日本維新の会はいくつかのグループに分かれており、中でも旧太陽系と大阪系との対立は激しいと言われているが、その後の党内の処置が対立を助長させるようなものだった。

 小沢鋭仁国対委員長は7日、緊急記者会見を開き、「石原氏が原子力協定に賛成するか、採決に欠席すれば処分する」と述べた。
 国対委員長が代表を処分するというのは前代未聞だ。日本維新の会はそうした強大な権限を国対委員長に付与しているのか。
 そもそも橋下氏が代表を辞任しようとした時、党内の規約の中にそのような内容がなかったためにあやふやになった経緯がある。大阪維新の会を我がもののように動かす橋下氏でさえ、不可能だったのだ。日本維新の会の代表は自から辞めることができないが、国対委員長が代表を辞めさせるのは可能なのだろうか。
 また80歳を超える高齢で、脳梗塞の病歴もある石原氏には、どのような健康障害があるかわからない。それを「欠席しても処分」というのはいささか酷すぎる通告で、「老人苛め」といえなくもない。
 
 この背景にあるのは、大阪系による旧太陽系はずしだ。小沢氏は大阪出身ではないが、日本維新の会が国政に進出した時、いち早く参加した。
 しかし小沢氏は民主党の代表選に出ようとしたこともあり、それなのに2012年の衆院選で民主党が劣勢と判断すると、さっさと離党したという過去がある。
 要するに自民党が圧倒的に多数を占める永田町であって、私怨や個人的な利害関係で動く野党はまったく存在感をなくしている。「野党再編」と称して話題性を狙っても、コップの中の争いのスケールから成長することはない。

【永田 薫】


※記事へのご意見はこちら

政治一覧
政治
2014年3月11日 14:55
政治
2014年3月 7日 14:27
政治
2014年3月 6日 12:34
政治
2014年3月 6日 11:38
政治
2014年3月 4日 15:03
政治
2014年2月27日 17:39
濱口和久「本気の安保論」
2014年2月27日 07:00
濱口和久「本気の安保論」
2014年2月26日 07:00
政治
2014年2月26日 07:00
濱口和久「本気の安保論」
2014年2月25日 07:00
濱口和久「本気の安保論」
2014年2月24日 13:38
政治
2014年2月21日 16:24
政治
2014年2月21日 15:00
政治
2014年2月20日 11:36
政治
2014年2月12日 11:34
NET-IB NEWS メールマガジン 登録・解除
純広告用レクタングル

2012年流通特集号
流通メルマガ
純広告VT
純広告VT
純広告VT
ピックアップ
PRに有効な動画とは? WEB戦略セミナー
セミナー情報
2014年3月13日 14:43
台湾中西部に「日本サンドイッチ」
チャイナビジネス最前線
2014年3月13日 13:42
八百勝 博多リバレイン出店へ
流通
2014年3月12日 11:58
中国人が愛する「田舎」・雲南省
チャイナビジネス最前線
2014年3月12日 11:23
震災被災動物が福岡へ~FBSで特集
東日本大震災
2014年3月12日 10:34

IMPACT用レクタングル


MicroAdT用レクタングル