<動き出した松葉の人工腐植プロジェクト>
持続的な松葉かきの実施には生業としての保全管理が必要だとし、膨大な松葉の後処理も課題として浮上した。そのためには松葉の循環的な活用システムの必要性が不可欠で、新たに地域住民参加型の管理システムの構築が求められた。
そこで国土防災技術(株)(佐賀営業所:佐賀市高木瀬町、柳内克行社長)は虹の松原再生計画案として、「松葉の人工腐植化による地域住民参加型管理システムの構築」を提案した。プロジェクトによれば、(1)「松葉かきの生業管理」、(2)「松葉による人工腐植土の作成」、(3)「地域活性化として推奨品化」、(4)「安定的な運営費の捻出」――など、松葉の人工的な腐植化を軸とした循環システムが提案されている。
腐植化とは、落葉を人工的に腐植させて腐植土を産生したのち、付加価値を得た肥料として佐賀県内の園芸や農地で活用しようというもの。その副産物として生成された腐植液はフルボ酸の原料として活用し、シャンプーや石鹸など地元の特産品として商品化する。
<副産物で商品化、地域ブランド品へ>
同社はすでに、このようにして産生した肥料を芝生緑化や降灰を受けた農地の土壌改良でテスト的に検証済みで、農産物の生育に成功している。たとえば、腐植肥料を混ぜることで、稲の倒伏を減らして水稲の収量を上げたり、ほうれん草の成長量を拡大するなどの成果を挙げている。ほかにも公共事業向けの法面緑化資材としての活用も考えている。
また、腐植液の利用法としては、フルボ酸植物活性剤原料として土壌改良剤などのほか、シャンプーやトリートメント、石鹸などのアメニティグッズとしての販売を考えている。実際にこのような商品はすでに、(株)日本フルボ酸総合研究所(東京都練馬区、飛田和陽子社長)が商品化に成功し販売実績も積んでいる。また、フルボ酸植物活性剤についても佐賀県のパークゴルフ場において衰弱した芝生の活性化に成功している。
プロジェクトでは、『虹の松原シャンプー』などとし、アンテナショップで情報を発信、嬉野温泉などの地元温泉街で販売することで地域ブランドの確立を目指している。このようにして得た資金は「松原の管理運営費に当て、安定的な維持管理システムの構築による地域雇用の創出に役立てる」(国土防災技術)という。現在、プロジェクトへの協力を自治体や企業、NPO団体、一般市民に呼びかけている。
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