今回、福岡県より産業廃棄物の自主撤去の協力を要請された建設業者らには、1つの共通点がある。それは、廃棄物処理法に基づく正式な手続きを経ずに契約を結んだという点だ。
産業廃棄物の処理を他社(他人)へ委託する場合、書面による契約締結が不可欠である。産業廃棄物の排出事業者は、どの種類の産業廃棄物を、どの程度排出し、どのような処理を業者へ委託するのか、あらかじめ書面による契約によって明らかにしなければならない。また、この処理委託契約には、二者契約であることや契約書面の5年間保存などといった委託基準がある。今回対象となった建設業者らは、この委託基準にそぐわない行為によってダイフクへ処理を委託していたことから、県が建設業者らを「依頼した責任がある」と判断するに至った。
今回の場合、産業廃棄物の自主撤去に協力する手段として、選択肢は2つある。1つ目は自社で撤去すること、2つ目は現在処分場を管理する県産業廃棄物協会に負担金(処分料)を支払うことだ。該当の143社のうち、1月末時点で協力に応じる意向を示したのは24社。「処理に協力する業者のほとんどが負担金を支払っている」(県担当者)とし、14年2月より始まったのは、県産業廃棄物協会による処理作業である。協力に応じる業者も増加するなか、引き続き協力を呼び掛けていくが、応じない業者に対しては社名の公表などといった行政処分も視野に入れている。
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