1998年6月に福岡県筑後市にてスタートしたタマホーム(株)。『いい家を適正な価格で提供する』という玉木康裕代表の信念で住宅を提供し続けて15年。2013年3月27日に東京証券取引所市場第一部および福岡証券取引所に上場を果たした。地元の福岡を皮切りに東京へ進出し、全国の市場で躍進を遂げている様は、すでに周知の通り。玉木代表の初志一貫のブレない経営が結実したのである。
<徹底したコスト管理の成果>
タマホーム(株)の玉木康裕代表は、設立当初より常々自身の住宅に対する思いを以下のように語っている。「我が国の戸建住宅の建築費は高すぎます。平均坪60~80万円で低くても40~50万円です。欧米諸国では20~30万円で建てられます。このような高い家では、何のために働くのかということになります。ゆとりのある生活ができませんし、若い年代時に住宅を持つことが難しくなります。だから何としても欧米並みの価格で建てられる戸建住宅をつくりたかったのです」。単なる価格の安い家でなく、国際標準価格を実現し仕様もグレードを高くした家を提供することこそが、玉木代表の一貫した想いである。
そのきっかけが、すでに"語り草"となっているコーヒー1杯150円の話だ。玉木代表と他2名が打ち合わせのためにあるファミレスを訪れ、コーヒーを頼んだ。会計時に「450円です」と言われ、「1杯450円は高いな」と思いつつ3人分の1,350円を支払おうとすると、「3人分で450円です」と言われた。つまり1杯150円。これに玉木代表は、大きなカルチャーショックを受けたという。そこでそのスタッフに「これで儲かっているのか」と質問すると、「パートですからよくわかりませんが、全国に展開中と会社が言っているので儲かっているのでしょう」と返答があった。その回答で玉木代表は、さらにショックを受けた。と同時に、「住宅とコーヒーとは世界が違うが、1杯150円で全国展開ができている。そして利益を上げている。自分にもできる」と感じたという。その「自分にもできる」という信念が、坪単価25.8万円を実現させた。
当時、同社での建築費は、坪単価50万円で原価40万円、粗利益率は20%。それを約半額にしたのである。社内からは大反対が起こり、利益は出ず逆に大損失という結果となった。だが、「外食産業にできているから住宅業界でもできる」との不退転の意志で建築工程などを見直し、徹底したコスト管理を実践。坪25.8万円の家を実現したのだった。
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<COMPANY INFORMATION>
■タマホーム(株)
代 表:玉木 康裕
所在地:東京都港区高輪3-22-9
設 立:1998年6月
資本金:43億1,014万円
売上高:(13/5連結)1,523億2,300万円
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