福岡市の高島宗一郎市長の周辺が騒がしくなった。今年秋の市長選を控え、動向に注目が集まるのは当然だが、なにしろ市役所に居る時間が短い。議会中の業務時間中にフィットネスクラブで遊んでいた市長さんだけに、どこで何をやっているのか目を離せない状況だ。
そうしたなか、友人の市顧問・後山泰一氏の退任が表面化するころから、市長が自宅にいるのかどうかわからないという市役所周辺の声が聞こえてきた。特別職とはいえ、市長は公務員。勝手な振る舞いは許されまい。取材班は、市長の動きを追った。
12日午前10時、市長の自宅に公用車の迎え。なぜかパトカー誘導の下、出発。所在確認ができたため、車を記者が所属するデータ・マックス本社方向に走らせた。偶然にも車は公用車と同じく、福岡都市高の福重インターに乗り、天神北インターへ。わが社の方向と市役所の方向は同じであり、致し方のない仕儀と相成った。ついでに市役所まで付いて行こうか―。記者なら当然の行動である。
市長公用車は福岡一の繁華街・渡辺通りを抜け、市議会棟の前で停車。無事、高島市長が降りたのを見届けた後、「さて、会社に戻るか」と記者が思った瞬間、居合わせた複数の警察官に職務質問された。その後、記者1名は市役所に隣接する福岡中央署の取調室にて事情聴取。取り調べた警察官らに対し、記者が取材であることを説明し、2分ほどで解放された。警護に神経を尖らせているのだという。警察としては当然の仕事だ。
ただし、このタイミングの良さには裏がある。市議会の前で複数の警察官が待ち構えていたのは、高島市長サイドが中央署に通報していたからと考えるのが自然。市長は、中央保育園移転問題で市民から背任容疑で刑事告発を受けているほか、懐刀であった広報戦略アドバイザーの後山泰一氏を事実上解任し、その周辺が騒然としている。よからぬ噂も少なくない。ナーバスになっているのだろうが、相手の確認もせずに警察に突き出すのはいささか度が過ぎている。なにより、市長が自宅に出入りする度、所轄の車が警護に張り付く現状は滑稽だ。だれがこのつまらぬ市長さんを狙っているのかわからないが、過剰な警備は、税金の無駄遣いとしか思えない。
アクシデントに見舞われた記者は、終日ふさぎ込んでしまったが、くしくも市長周辺の異常事態を身をもって知るいい機会になった。
最後に一言。市長さん、議会中くらい真面目に市役所に居てくださいませんか。
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