「アジアの玄関口」福岡で、アジアからの観光客の満足度を高めようとする動きが具体化している。九州7県と福岡市は、政府から「九州アジア観光アイランド総合特区」の認定を受け、試験を簡素化した九州限定通訳案内士の育成を開始。その実地研修で、ガイド研修生たちは「太宰府天満宮」を訪れ、その模様が報道陣にも公開された。
研修は「中国や韓国からの観光ツアーを連れて、太宰府天満宮に来た」という設定で行なわれ、研修生たちは、「太宰府天満宮は学問の神様・菅原道真を祀る神社で、日本全国1万2,000社の『天満宮』の総本社。本殿の下には道真公のご遺骸が葬られている。現在の本殿は16世紀に建立された。本殿向かって右の『飛梅』は道真公を募って一夜のうちに京都から飛んできたという伝説がある白梅です」とテキストにある説明文章を翻訳しながら、観光客役の研修生に対してガイドしていった。
「二礼二拍手一礼」といった参拝の方法や「左手を洗った後、右手を洗い、口を漱ぐ・・・」などといった手水舎(ちょうずや)でのしきたりなど、日本人でも曖昧にしか認識していないような「日本の礼儀」を再確認していった。
また、天満宮から徒歩数分の圏内にある「九州国立博物館」も訪れ、北部九州の鉄器の生産関連資料や、遣唐使やシルクロードとの交易により日本に流入した文物の展示、アジアの仏像、中国・ベトナム・インドネシアの祭りで使用された青銅楽器などを見学。外国からの観光客の説明要求に対応するための準備を整えた。
参加者の一人は「九州人でありながら、九州のことをどうやって紹介するか、ましてや『外国語を使ってどう表現するか』はかなり難しい。これから、より深く、日本の歴史や文化についても学んでいきたい」と話していた。
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