<小倉中心部のまちあるき-4->
2013年10月5・6日に北九州市小倉北区の北九州国際会議場で開催された「第3回日本まちあるきフォーラムIN北九州」での第1分科会は、「都市型まち歩きが目指すものは?北九州タウンツーリズムの活動内容の紹介(ミニレクチャー)と、北九州市の中心市街地である小倉駅周辺の商店街を活かしたまち歩きを体験します」との触れ込みで開始されました。
引き続き北九州タウンツーリズムによる小倉のまち歩きの報告です。
次は「魚町トイレ」です。そう、ここ北九州・小倉はあのTOTOのお膝元です。小倉中心部では来街者用のトイレの取り組みがTOTOなどの協力もあって、早くから進められています。「魚町トイレ」は、2000年に魚町銀天街の商業ビルの地下にオープンしています。何ともレトロな雰囲気の地下飲食店街の一角にトイレがあります。その横には、写真のような木製の冷蔵庫が置かれていました。私が小学4年生の頃に、この木製冷蔵庫が自宅にあったのを思い出します。昭和30年代初めの頃です。その後、すぐに電気冷蔵庫が我が家にもやってきたのを思い出します。すみません、ノスタルジアに浸ってしまいました。
続いて、同じく魚町銀天街にある「メルカート3番街」「ポポラート3番街」です。これは、中屋興産ビルという築50年の古い商業ビルのリノベーション事例です。数年前に核テナントが撤退した跡に、素晴らしいプランニングによって再生されたクリエイティブスペースです。「アーケード型商店街に立地する、この場所の最大の魅力と特性を活かし、クリエイションと商店主を志す若い世代への支援を通して、小倉魚町の活性化を目指します」と謳われています。そう、まさに、北九州・小倉の若者拠点を目指す先進的な取り組みを始めたのです。
何度も言って申しわけないのですが、2010年度に私が小倉地区中心市街地活性化協議会のタウンマネージャーを仰せつかっていた際に、小倉には学生・若者の拠点がない、若者が福岡市に流れてしまうといった声が数多く聞かれたのですが、この声を聞いて中屋興産(株)の代表者・梯氏が一念発起してこの若者拠点を創り上げたのです。このリノベーションについては北九州市や多くの関係者の協力・発想の賜物なのですが、ここの実績は今や全国に向けて発信できるほどのレベルに達しています。
古いビルの2階には写真のようなお洒落な空間が広がっています。ここは、起業を志す若い女性にきわめて低額の賃料で商業スペースを貸し出し、そのベンチャースピリットを後押ししようとしているのです。素晴らしい試みだと思う次第です。
(株)地域マーケティング研究所
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和歌山大学産学連携・研究支援センター客員教授、観光学部フェロー
西日本工業大学デザイン学部非常勤講師
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