2014年3月11日に、福岡地方裁判所に民事再生法の適用を申請した九州ダートコーヒー(株)の債権者集会が14日に行なわれた。「ダートコーヒー」は商標登録されており、九州ダートコーヒー(以下同社)は各地のダートコーヒーグループと資本関係はないものの、商標を共有化しており、同社は九州一円を販売エリアとしている。
もともとダートコーヒー(株)(以下元会社)として事業展開していたが、資金難に陥り、事業継続が困難となっていた。そこで元会社の金融機関は、同社の元代表へ支援を要請。元会社の従業員の雇用確保と新たに融資を受けることで、元会社から事業譲渡を受けた。
しかし、事業譲渡の際、契約書において「債務の引継はしない」と規定されていたが、会社法22条2項「・・・事業を譲り受けた後、遅滞なく、譲受会社がその本店の所在地において譲渡会社の債務を弁済する責任を負わない旨を登記した場合には、適用しない。事業を譲り受けた後、遅滞なく、譲受会社及び譲渡会社から第三者に対しその旨の通知をした場合において、その通知を受けた第三者についても、同様とする」の登記を、事業譲渡のコンサルタントが登記していなかった。
そのため、債務の弁済を求めて提訴がなされ、一部について強制執行された。訴訟提起をしていない金融機関もあるものの、元会社の債務8億円を拒否することは困難となった。これにより同社は、経営状態が危ぶまれる危機に直面。事業譲渡の道もあるが、債務の引継の問題もあり実現は不可能。そのため、民事再生法による再建を目指すことになった。
定刻に開始された債権者説明会も至って静かに進行。会終了後に「まことに申し訳ありません」と深々と頭を下げる水本社長の姿があった。今後、今年10月までに適用決定を目指すとしている。
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