NET-IBでは、SNSやブログで情報発信を行なっている佐賀県武雄市長・樋渡啓祐氏のブログを紹介している。
今回は理化学研究所の問題について記載している、3月15日午後8時59分のブログを紹介する。
理研に見るトップの役割
STAP論文を巡る理化学研究所の対応ぶりなんかを見ると、危機管理ができてないなあって思う。あんな取り下げ論文を出してくること以上に、その後の対応。理研は自他共に認める日本最高峰、世界に誇る研究機関。しかし、Twitterにも書いたんだけど、小保方論文で理研の権威も地に堕ちてしまった。さらに、昨日の会見で悪い方向に。まず、一つだけ、取り上げよう。調査対象者の言うことを鵜呑みにして、客観的な証拠がないにもかかわらず、「悪意はない」との発言は、全く、会見になっていないと思った。
会見のセットが圧倒的に遅い、という問題はさておき、せっかく、理事長というトップが出ているにもかかわらず、中間報告という名の位置付けがはっきりしない報告会見に終始し、訳の分からん、理事が、「私は・・と思う。」って、バラバラ感満載。あんなに沢山、ひな壇に並ぶ必要はゼロ。大方針は理事長が述べ、細かい話は、事務方の理事が述べれば良いだけの話。加えて問題なのは、最終報告の期限を明示しなかったこと。理研は、この問題をずっと引きずることになる。
以前、ソフトバンクの孫社長とお話ししたときに、トップの役割に関して語られたことがあります。孫社長は、「トップは、平時の時は要らないんですよ。トップが必要なのは、有事の時のみなんです。」と。僕は、「そういう意味で一切合切の責任とって辞めるのも、トップの仕事ですね。」と言ったら、孫さんは、「そうだね。」と静かにうなずかれました。
今回の図書館のときも、5月に出す新書には書いていますが、もし、来館者減など、図書館が上手くいってなかったら、「辞める」つもりでした。図書館の場合、所管はもちろん教育委員会ですが、予算編成権という大権を持つ身としては、かなりの責任がある。ちなみに、市民病院の民間委譲の時は、社会的混乱を生じさせたため、そして、一度、民意を問うために辞任しました。
部下の不祥事、これはもちろん、大小ありますが、これほど、日本を、いや、世界を揺るがす大問題の時は、トップがのうのうと居座るというのはあり得ない、と僕は思います。そういう意味で、理研の理事長、ついでに言えば、発言がころころ変わって陳謝にまで追い込まれたNHKの会長は然るべき時に辞任すべきだと。
未曾有の危機の時、そこのトップがどう決断するか、僕は、ずっとそこを見てきました。出処進退、特に辞め際に、人間の本質が出てくるんだろうって思います。今のところ、僕はそこら辺、まだ、うまくやる自信が無い、ということを付記します。
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