ゼオライト(株)
「良い水創り、人財創り」を経営理念として、水創り一筋に研鑽を重ね、地域を始め多くの人々のお役に立ち、喜ばれてきたゼオライト(株)。1970年の設立以来、45年間、現会長で工学博士の河村恭輔氏と現社長の河村勝美氏の夫婦二人三脚で、水処理を中心とした事業展開を行なっている。昨年8月には東京営業所を支店に格上げするなど、攻めの姿勢で業容を拡大中だ。
<コアコンピタンス経営のリーディングカンパニー>
生命の根源である「水」は、以前は無料で永久にあるものという認識であったが、現在は『限りある資源』として、貴重なものになろうとしている。「水道をひねれば綺麗な水が出る」「汚れた水は廃棄する」といった、今までの常識がくつがえされるような時代となってきた。そのようななかで、常に時代を先読みし、45年の長きにわたり培ってきた技術に磨きをかけ、"水のスペシャリスト"として認知される企業に成長しているのが、福岡に拠点を置くゼオライト(株)だ。
同社は水処理プラントメーカーとして、九州ナンバーワンの納入実績を誇る企業である。同社のプラントは現在、日本中の公共施設、病院、ホテル、食品工場など1,000カ所以上で活用されている。具体的には井戸水浄水装置をつくり、世界最高水準の技術である逆浸透膜を用いた水処理技術をシステム化したことで、コアコンピタンス(核となる得意分野)を有する業界のリーディングカンパニーとしても認知されている。
<西方沖地震を教訓に、東日本大震災で力を発揮>
コアコンピタンス経営を実践している同社を有名にしたエピソードは、枚挙にいとまがない。仮に、1つ例に挙げるとすれば、巨大地震にとても強いということだろう。2005年3月に起きた福岡県西方沖地震では、県内各所、大きな影響を受けた。しかし、同社が設置していた市内近郊200カ所のプラントは問題もなく動作した。このとき、「ぜひ、緊急用の水源確保の仕事を、行政とも一体となって取り組んでいきたい」と同社の恭輔会長らは確信。これが後に11年3月に発生した東日本大震災による大災害発生時に活きることになる。
同社の得意先で、宮城県にある大手製パンの仙台工場が被災。同工場は竣工式を目前に控えたところで、地震と大津波の被害を受けた。しかし、設備自体は大きな被害を受けず、地元の方々の協力もあり、震災発生後2カ月で工場の復旧に取りかかることができた。これにより同年8月に試運転、9月に工場の稼働スタートにつながった。
茨城県内の公立某病院では、震災時に水道が断水したのだが、同社の井戸水浄水装置は動作し、病院の断水を免れた。命をつなぐ病院施設において、水源の確保はとても重要なのは言うまでもないことだが、緊急時に水源を確保できたのは、同社が過去の体験を過去の出来事に留めず、教訓化したことによるところが大きい。
| (中) ≫
<COMPANY INFORMATION>
ゼオライト(株)
代表取締役会長:河村 恭輔
代表取締役社長:河村 勝美
所在地:福岡市博多区那珂5-1-11
東京支店:東京都荒川区町屋1-38-16
菱興町屋ビル
設 立:1970年8月
資本金:9,000万円
売上高:(13/7)27億2,000万円
URL:http://www.zeolite.co.jp
<プロフィール>
■河村 恭輔(かわむら・きょうすけ)
1934年8月、山口県出身。大島商船高等専門学校卒。工学博士。日刊工業新聞社主催の優秀経営者顕彰である「地域社会貢献賞」を受賞。趣味はゴルフと読書。
■河村 勝美(かわむら・かつみ)
1943年10月、広島県出身。広島県立瀬戸田高校卒。趣味は、生花、自然散策、絵画。
※記事へのご意見はこちら