世界5位の自動車メーカーになった現代自動車は、質の向上を通じた継続的な成長を追求しながら、世界的にトレンドになっている環境に優しい自動車の製造に、全社をかけて挑もうとしている。まず、完成を目前に控えた現代中国乗用車工場(年間15万台)とKIAの中国第3工場(年間30万台)などで、中国市場の需要に対応していく計画である。アメリカとヨーロッパでもブランド認知度を向上させることによって、利益の拡大を狙っていくという戦略である。
なかでも期待を寄せているのは、走行能力において大幅の改善に成功した新型ゼネシスの販売である。自動車業界の焦眉の関心事である、環境に優しい次世代の自動車である電気自動車、燃料電池自動車などの開発にも力を入れている。
SKは既存の主力事業であるエネルギー、通信、半導体などに多額の研究開発投資を実施しながら、資源開発などの新事業開発にも積極的である。数年前に買収したハイニックスは順調に成長しており投資を拡大していることに加え、製油事業だけでなく、電気自動車向けの電池事業への多額と投資(3兆ウォン予定)、石炭から石油を取り出す技術など、新しい分野に積極的に投資をしている。ただ、オーナー会長が実刑を言い渡されたことで、意思決定の空白が懸念されている。
LGは電子、情報通信分野のコアテクノロジーをエネルギーソリューション、自動車部品、医療機器など、新しい分野に応用して新しい事業を創出しようとしている。既存の携帯電話、テレビなどへの将来の見通しはそれほど明るくなく、危機意識を持っている。しかし、電池事業、太陽光事業への進出など、新事業開拓にどのグループよりも熱心に取り組んでいる。研究開発で基盤を固め、M&Aで突破口を新事業を開拓するための研究開発投資も増加。新事業開拓の第一歩を、既存の事業の体質強化とそれにともなう付随的な効果から求めている。
研究開発の拠点になるR&Dセンターを構えるところが増えている。
サムスン電子は去年の6月に、R5研究所をオープンした。R5研究所はモバイル専門研究所で、今の携帯電話の世界市場シェア1位を堅持するために設立された研究所である。R5研究所には1万人が常駐しており、最先端の携帯電話関連の研究を行なっている。モバイル向けのOSの開発なども、ここで行なわれている。1980年度に開所したテレビ研究所であるR1を皮切りに、R5にいたるまで、サムスンは全部門において研究所を構えたことになる。
現代自動車の系列会社である現代モビスも、去年の10月に、京畿道龍仁研究所で電気自動車向けの自動車部品と知能型自動車向けの電子装置の研究開発を担当する電装研究棟の竣工式が開かれた。約600億ウォンの投資と1年5カ月の歳月をかけて完成したこの研究棟には、先端知能型、電気自動車など環境に優しい自動車のコア部品の技術を研究・テストできる21の先端試験室を備えている。
LGも、去年全体投資額20兆ウォン中の6兆ウォンを研究開発費用に割り当てるほど、新技術・新製品の開発に力を注いでいる。とくにバッテリパークを造成して、電池関連分野に集中的に投資を行なっている。それと同時に、シナジー効果をあげるために系列会社同士でのM&Aにも積極的に乗り出している。
現代自動車グループの現代エンジニアリングと現代エムコの合併も話題になっている。現代エンジニアリングは石油化学プラントの設計と施工が専門で、現代エムコは住宅と土木工事が専門である。系列会社同士の合併を通じて、コストの削減の効率の向上を狙っている。
このように韓国では、進行中であるグローバル経済危機のなかで、生き残りをかけてそれぞれの方法で新事業開拓に挑んでいる。これが成功するかどうかは、もう少し歳月が待つ必要があるだろう。
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