輸出自動車の海上輸送運賃をめぐる国際カルテルで、公正取引委員会は3月18日、日本郵船(株)など5社の独占禁止法違反(不当な取引制限の禁止)を認定して、同社など4社に総額227億1,848万円の課徴金支払いと排除措置を命じた。
課徴金額は、日本郵船が131億107万円、川崎汽船(株)が56億9,839万円、ワレニウス・ウィルヘルムセン・ロジスティックス・エーエスに34億9,571万円、日産専用船(株)に4億2,331万円(別表参照)。違反事業者には、(株)商船三井が含まれているが、排除命令と課徴金の対象にはならなかった。事業者自らが関与したカルテル・談合について、自主申告した場合、課徴金額が減免される制度がある。
公取委の発表によると、独禁法違反が認定された国際カルテルは、日本の港で荷積みした新車の自動車を外国の港に陸揚げする特定自動車運送業務(荷主は日本メーカーなどに限る)で、各社が取引の維持・運賃低落防止のために、価格競争によって他社の取引を奪わず、荷主ごとに運賃引き上げや維持を合意していた。
公取委によると、各社は遅くとも2008年1月中旬以降、北米航路など4つの航路で、運賃交渉にあたり、運賃引き上げ率や見積もり運賃を決定したり、同じ会社が継続して取引できるように協力していた。
公取委は、これらの航路では、海上運送法に基づく同法適用除外カルテルが国土交通大臣に届け出されていたが、届け出されていた運賃表はまったくまたはほとんど使われていなかったとして、同日、国土交通大臣に対し、同適用除外カルテルの廃止などを要請した。
川崎汽船は同日、「さらなるコンプライアンスの強化と再発防止策の徹底に取り組んでまいります」とのコメントを発表、社長や該当部門の担当取締役らの月額報酬の10~30%自主返上(3カ月間)を決めた。課徴金命令などから外れた商船三井も14年4月から1年間、会長、社長、自動車船部門担当の専務執行役員の役員報酬を50%減額すると発表した。
一方、日本郵船は同日の発表では「命令の内容を慎重に精査し検討のうえ、対応を決定する予定」として、対応策を明らかにしなかった。同社によると、公取委の調査開始後、課徴金減免制度の適用を申請し、課徴金の一部免除が認められている。
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