「消費税8% 増税後の小売業はこう変わる」緊急セミナーが18日夕方、データ・マックス大会議室で開催された。講師の神戸彲氏(流通コンサルタント)、は数々の地場スーパーで役員を歴任した経験を元に、コンサルタント企業の代表として小売業をサポートしている。会場には小売業及びベンダー、メーカーの担当者ら約30名が参加した。
神戸氏は、データに基づいた解説を交えながら、4月以降の小売業を分析。17年前に消費税が3%から5%となり、ディスカウントストアが10%以上伸び、一般のスーパーが影響受けた事例を上げ、「現在の人口は年間30万人以上減っているため、毎年1,000億円以上の食の市場が消えていることも頭に入れておかなければならない」と話した。
増税後の小売業については、「特長のないスーパーマーケットは右肩下がりの環境にある。少子高齢化、eコマースの分野で異業種からの参入により、今後はさらに競争が激化する。これからは、『安い』か『楽しい』の二つに分かれる」とし、特長のあるスーパーかディスカウントストアでなければ生き残りは厳しいという見解を示した。
さらに「家族連れと若い人が来ないスーパーは厳しい。コストコは家族連れをはじめ複数で来ている。このような店舗には明日がある」とした上で、今後は「あなたがいるからこのお店に行く」という、人と人との繋がりのあるスーパーにしなければならない、とした。
データに基づいた分析、日米の小売店の比較を交えながら、小売業が歩むべき方向性を熱く語った神戸氏。「お客様が少なくなったら人(人物、人柄)を買ってもらうしかない。『商品よりも私を買って下さい』といえるスーパーが生き残れる」ことを力説。泥臭いことではあるが、これからの小売業が生き残るためには、地域での人と人とのコミュニケションがより重要になると述べた。
会場では熱心にメモを取る人たちの姿が見られた。
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