福岡市長選挙まで残すところ約8カ月。再選を目指す高島宗一郎市長に対する批判が高まるなか、市長選に向けて各会派の動きも徐々に活発化している。NET-IBでは、高島宗一郎福岡市長の生みの親といってよい津田隆士元福岡市議会議長を直撃インタビューした。
3月18日、8期32年にわたって福岡市議会議員として、福岡市の発展に大きく貢献した津田隆士氏の自宅を訪問した。同氏はKBC九州朝日放送の人気番組「アサデス」のメインキャスターとして知られていた高島氏を、故・石村一明元市議とともに福岡市長選挙に担ぎ出した一人だ。
引退後も意気軒高な同氏だが、今でも福岡市の中堅幹部や与野党の現職市議から「津田さんはどうおもわれますか」と相談が来るという。決まって「あなた方で考えなさい」と笑って返すと語る。高島市長に対する評価を問うと「もう引退した身。高島市長は息子と同い年。一市民として見守り、若いんだから育てていきたい」としながらも「議会軽視がいくつもある。昔なら、予算とめるぞといえば執行部は、すぐ飛んできていた」と語気を強めた。
続けて執行部と議会の関係について、次のように語る。
「本来、まず議会。正副議長と会派の会長・役員に根回しする。桑原市長のときはそうでした。共産党にも反対とわかっていても話をしていました。何度も議運(議会運営委員会)で議論していました。意見の違う会派でも、行政でも立場がある。相手の立場は尊重しないといけない」(津田元市議)。
議会に諮らず、自分の方針を押し通し、少数会派を無視するのは、議会制民主主義とはいえない。津田氏は、1999年から2001年まで市議会議長を務めている。議会政治の表裏を知り尽くした、その言葉に説得力がある。
生みの親といわれる津田元市議でさえ、"議会軽視"だと指摘する高島市長。果たして、親心からの言葉を真摯に受け止めることができるだろうか――。
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