【特別取材】カンボジア経済視察 視察参加者の声を聞く
アンコールワットに地雷とポル=ポト。そう、その国はカンボジア。近年は積極的な外国投資の呼び込みと安価で豊富な労働力を背景に安定した経済成長を遂げている。日本企業の進出が相次いでいる同国を視察し、経済を中心に知られざるカンボジアの現状と魅力を報告する。
<ビジネスチャンスはみつかったのか>
設計事務所A 「4つ星ホテルに泊まったが、設計はまずまずで、それほど評価できるものではなかった。以前からミャンマーでのミッションを検討していたが、カンボジアのほうがチャンスは多いと感じた。生活水準や文化レベルもカンボジアが上。製造業ならカンボジアを市場として考えた場合、今すぐの進出は難しい。周辺国への輸出なら、今からでも十分魅力的。不安要素は電力と水道事情、そして下水処理」
不動産業者B 「経済の自由度が高く、人件費も安い。チャンスは溢れているが、社会インフラや法整備、教育や医療など不十分なところも確認できた。在留邦人は1万8,000人と聞いた。日本人向けに不動産仲介を行うにはパイが少なすぎる。しかも現地では不動産仲介という概念が根付いておらず、進出しても受け入れられにくいだろう」
総合レンタルサービス業C 「オフィス向けに日本と同様のサービスができないか、注目した。カンボジア人の清潔へのこだわりは衛生状態を見ても、日本のように成熟していない。日系企業向けなら出張所として、スタートさせてもおもしろいかもしれない」
燃料供給業D 「電力事情、エネルギー供給に注目していた。日本での主業をカンボジアで展開するのは難しいが、土地と労働力は豊富にあるので、農業分野での新規事業では乗り出せる可能性はある」
今回の視察を終え、各社カンボジアの現状を持ち帰った。参加者は一様に、チャンスとリスクを述べていた。今後、ビジネスの芽を大きく育てることができるか、大いに期待したいところである。日本で収集した情報は誤りではなかったが、真実でもなかった。体感する意味を改めて感じた。
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なお、今回視察ツアーを主催したのは2013年4月に発足した西日本・カンボジア友好協会。ビジネス進出や交流促進を検討されている企業、団体は下記までお問い合わせを。
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・西日本・カンボジア友好協会
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