家庭用調理器具の訪問販売で一時代を築いたウイスコ(株)が倒産した。高品質の鍋を武器に成長を遂げた同社だが、時代の変化に対応できなかったようだ。
料理教室やホームパーティで集客し、その後のフォローで販売する手法だったが、ネットワークビジネスの隆盛により、そうした手法も目新しさが失われていった。また、訪問販売業者の違法行為が社会問題化したことで、同社を取り巻く経営環境も悪化した。
今回の倒産では「預り商品」の存在も問題となっている。かつては高品質で高価格の同社の鍋を、子どもや孫へのプレゼントとして購入し、必要なときまで同社に預ってほしいとの要望があった。同社の鍋が一定のステイタスを持っていたことを表すとともに、時代を感じさせるエピソードでもある。
だが、長期間に渡る預り商品の管理は難しく、その権利をめぐって今後、問題化する可能性が高い。ブランド力、商品力が評価される一方で、やはり時代にそぐわない販売手法になっていたということだろう。
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