学校法人福岡工業大学(福岡市東区、下村輝夫学長)は3月20日、福岡県新宮町と包括連携協定を締結、新宮町役場で調印式を行なった。行政と教育機関の提携は、双方にとっても初の試み。連携協議会で定期的に話し合いをしながら、事業を進めていく。
主な連携事項は「環境の保全及び防災・防犯対策の推進」「地域活性化及びまちづくり」「教育、文化及びスポーツの振興」「人材の育成や交流」。とくに防災については、福工大が取り組む津波についての研究が、海に面する新宮町との連携によって、より発展的なものとなると期待される。
同研究は、福工大の電子情報学科盧教授チームの「画像技術とレーダー技術を融合した津波計測及び防災・減災システムへの応用研究」。文科省「私立大学戦略的研究基盤形成支援事業」として採択されたもの。
研究体制は、2月末に福工大内で開設し、4月にレーザー部分が完成することによって稼動する「先端計測技術研究センター」として整っている。陸上に設置される画像センサーとマイクロ波レーダーを用い、沖合い50km先の波浪の高さ、形状を計測し、津波の高さや到達時間を到達20~30分前に予測するシステムを開発する。
この技術をどのように活かしていくかは今後の協議によるが、新宮町のハザードマップ、避難体制の強化、などが見込まれている。また今後、新宮町以外の防災対策にも活用される可能性もある。
新宮町は、福工大にもっとも近い自治体で、多くの学生・教職員の生活の場となっている。今までも学生による地域防災・防犯活動・公園清掃への協力など、さまざまな相互協力を進めてきた。今後、さらに連携事業を深め、双方の発展に寄与していくものとして推進していく。
調印式には、福工大から、下村輝夫学長、大谷忠彦常務理事、安永誠学生部長、山下剛事務局長が、新宮町からは、長﨑武利町長、安武研二議会議長、山崎浩副町長、宮川優子教育長が出席した。
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