西日本鉄道(株)(西鉄)
<創立100年を超えた、巨人グループの今後の方針>
同グループは5つの事業部を編成している。しかし、創業から核となってきて牽引してきたバス・鉄道事業の息切れが見立ってきている。大きな伸びが見込めない。反面、マンション供給が好況な不動産事業。まさに地域に根付くといっても過言ではないストアなどの流通事業が好調であることは、グループ内の変革を意味しているのではないだろうか。同社はじめグループに限ったことではないが、原油価格の上昇、電力料金値上げ、消費税率の引き上げ等の日本経済の先行きが不透明な状況にあり、不安要素でもある。とくに原油価格の上昇は内燃機関を持つバスに負担がかかり、保有台数トップクラスのバス事業に大きな影響が予想されるのは想像できる。
同社が掲げた方針の1つとして、中期経営計画がある。「当社は、平成25年度からの3カ年を対象とする『西鉄グループ第13次中期経営計画』(以下『第13時中期経営計画』といいます。)を策定いたしました。第13次中期経営計画は、にしてつグループ将来ビション2018実現に向けた第二段階にあたり、『グループ総合力の発揮による成長への挑戦』のビジョンのもと、新しい収益源の開拓と企業事業の基盤強化に取り組み、企業価値の向上を図ってまいります」(原文ママ)。
なお、2013年11月11日に第2四半期の決算の報告がなされた。売上高は1,701億円、営業利益92億円、経常利益86億円、四半期利益48億円と12年9月の第2四半期より売上高(3.4%増)、営業利益(15.8%増)と良化している。内容としてやはり不動産・物流事業が好調であり、運輸・流通事業がやや減少していた。14年3月期の業績予想は売上高3,462億円、営業利益170億円、経常利益155億円、当期純利益90億円を見込んでいる。
08年に創立100年を迎えた同社。18年に目指すグループ像をイメージしており、既存事業の交通事業・街づくり事業・流通事業を核として、地域に根ざした深耕と航空貨物事業を軸とした国際物流ビジネスを拡大していく方針がある。
だが、果たして巨大になりすぎたグループの舵取りは、誰が見ても厳しいと思われる。保守的な部分も残しながら、改革していくものいいだろう。地域に欠かせない存在である同社およびグループの、今後の展開を見守りたい。
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<COMPANY INFORMATION>
西日本鉄道(株)(西鉄)
代 表:倉富 純男
所在地:福岡市中央区天神1-11-17
設 立:1908年12月
資本金:261億5,729万円
売上高:(13/3連結)3,383億円
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