鉄筋継手研究会は「時代のニーズに伴い多種多様化する鉄筋継手の細心情報を建築構造物の設計・施工・管理に携わる皆様で共有し、鉄筋継手の品質・施工管理について正しい理解を深め、さらには最新の鉄筋継手技術を活用したトータルコストダウンを考える」会である。
この研究会は春季に基礎編、秋季には応用編をテーマとして福岡市内で年2回開催されており、毎回100名近い受講者が来場し、会場が満席になるほど好評だ。
今回は「基礎編」なので、鉄筋溶接継手工法に注目。その上で3部に分けた講演が行なわれた。まず第1部は「鉄筋溶接継手の品質・施工管理のポイント」と題して清水建設(株)生産技術本部から工学博士の角陸純一氏が講演。角陸氏は現場の写真と試験データを含めた解説を行ない継手の基礎を詳しく説明した。第2部は全国鉄筋溶接継手工法協会の案内から「鉄筋溶接継手の継手性能」と題して大阪大学名誉教授の金裕哲氏が、並びに全国鉄筋溶接継手工法協会の宮田繁明氏が紹介としてそれぞれ講演を行なった。第3部では最新の工法である「ジャバラ工法」の紹介を(株)高倉工務店の代表取締役社長である高倉敏博氏が行なった。
休憩時間には実際に不適合となる鉄筋継手の展示や、ジャバラ工法の模型などに注目が集まり関心の高さが伺えた。次回は秋季に開催される予定であり、10回目として大きな節目を迎える。九州各地に点在する10社の企業が企画運営する同研究会。参加費は無料であり、なおかつ高い知識を蓄えることが出来る。こんなおいしい企画はない。ぜひ次回は奮って参加してみてはいかがだろうか。
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