福岡市長選挙まで残すところ約8カ月。再選を目指す高島市長に対する批判が高まるなか、市長選に向けて各会派の動きも徐々に活発化している。NET-IBは、高島宗一郎福岡市長の生みの親といわれる津田隆士元福岡市議会議長を直撃インタビューした。
<安倍さんは社会勉強が足りない>
――高島市長と安倍首相は、外交パフォーマンスなどで似ている点もあるように思いますが、国政についてはどのように思われますか。
津田 先日、高島市長は、商工会議所の末吉会頭や稲員市議などを連れて台湾を訪問しました。今、日中関係は良好ではありません。彼(高島市長)は、そういう意味で風をよくみていますよ。中国・韓国が反日的なのは、国内事情もあると思います。
聞いたところ、今の一期生の国会議員は、誰も先輩議員にモノが言えないようですね。昔は、自民党には青嵐会があって、中川一郎さんや渡辺美智雄さんなど元気がありました。河野洋平は最低ですね。河野氏は、95年にバンコクで行なわれたアセアン外相会議に出席する際に、台風で台湾に飛行機が緊急着陸しました。そのとき、みんな空港に避難したのに、あの人だけ、機内に残って上陸しませんでした。一国のリーダーになる器がない。心が狭い。「こいつ、つまらない奴だな」とその頃から思っていました。
安倍首相は、中韓両国に対して強気な外交姿勢です。僕は、最初から安倍さんを評価していません。社会勉強が足りない。小泉首相のあと、1年間だけ政権を担いましたが、小泉首相と比較すると首相の一日の動向が違います。新聞に首相の一日が毎日載りますよね。それを見ると、小泉さんは味方も多かったが、敵対する人ともよく会っていました。ところが、安倍さんは、今度も自分の好きな人、「お友達」ばかりと付き合い、周りを固めています。大臣になりたいゴマすりばかり。でも、民主党政権の後では、誰がやっても多数の議席を取れたと思います。
衆院選は、石破でも、安倍さんほどではないにせよ取れたでしょう。総裁選で、石破や林芳正は国家論をしっかり語っていました。ただ、彼らはオタクで、「お友達」がいないようです。安倍さんも国家観は語っていますが、内容があまりよくなかった。石原はそれがなかった。お父さんの慎太郎さんがあれだけの方だから、なるべくことを荒立てないようにしようとしているのではないでしょうか。
<総裁選では小泉氏を支援>
――小泉首相も何度も総裁選にチャレンジされましたが、福岡での演説会の思いではございますか。
津田 安倍さんがまだ一期生のとき、橋本龍太郎さんと小泉さんが自民党総裁選で福岡にくるということで、天神で街頭演説会をやりました。橋本さんには特定郵便局長会などが応援についていました。小泉さんには支援母体がなかった。僕は誰が総裁でもよかったけれど、総裁選が無投票ではいかんなぁと思っていたので、小泉さんが出馬したときに歓迎しました。そのときは、小泉さんとYKKだった山崎拓も加藤紘一も橋本を推していました。
そこで僕だけ小泉さんを応援しました。演説会には、麻生太郎さんや自見さん、古賀誠さんもいました。自見さんが自分の宣伝ばかりいうので「自分の選挙じゃなかろうが、また自分のことばかりいいやがって」と叫んでいました。麻生太郎事務所の所長や麻生商事などもきていましたが「俺は小泉の応援にきた。あんたのとこは関係ない。あんたの親分の河野洋平が総裁選を降りたので、応援に来た」といいました。
うちの市議では、小石原淳一議員や妹尾俊見議員がいたので、「小泉の応援をせろ」というと、みんな逃げて誰もいなくなりました。古賀誠さんは黙ったままでした。そのとき安倍晋三さんがお礼を言いにきたので「安倍晋太郎さんのご子息ですね。誰も総裁選に出ず無投票ではいけないと思ったので応援しました。自民党のために出ていただいてありがたいと思います」と話をしました。
<植木氏のリタイヤは政治テロ>
津田 4年前、高島氏の市長選挙では、みらい福岡さんも公明党さんも真剣にやっていただきました。
植木とみ子さんがリタイヤしたとき、危機感を感じて、福岡市内の県議・市議を全部招集しました。全員集まりました。麻生太郎さんは「これは政治テロだ」と言明しました。まったくそのとおり。市長選挙となると全市的な動きをしなければいけません。周りからは、「植木を落としたとき、いくらカネを使いましたか?」といわれました。冗談じゃない。これは一切そういうことはありません。これで数万の票が減りました。植木氏の辞退は、山崎広太郎さんたちが下ろしたようです。植木氏が辞めたいと漏らしたのを、広太郎さんともう一人の人が、辞めさせたのです。最後はうちのイメージが悪くなりました。天下の自民党がそんなことをやれば疑われます。
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