1992年の実行委員会設立から、時を経ること20余年、福岡県中経協連合会がいよいよ県下４つの中経協（福岡、北九州、筑後、筑豊）を支援する機関として本格的な活動を始めた。第６代会長に就任した小林専司氏（福岡ロジテム（株）代表取締役社長）は、多くの仲間たちの協力を得て、新たな「連合会」を立ち上げようとしている。

＜協会員が求めた「海外、子ども」＞
　――今年１月６日に行なわれた「中経協・AIE合同新年祝賀会」で、連合会のテーマを「Global Innovation From福岡」にすると発表されたそうですね。

　小林専司氏（以下、小林）　私の一存ではありませんよ。会長を引き受けた時点で、「これは仲間と協力して築いていくべきこと」と察し、まず協会員にどんな方向性で運営をしていきたいのかアンケートを取ったのです。そうしたところ、「海外」「子ども」についてやりたいと回答が多かったのです。じゃあ、「Global Innovation From福岡」というテーマでやってみようと思いました。

　――「小林専司」という名前を聞くと、関係者はやはり長年「アジア太平洋こども会議・イン福岡（以下、ＡＰＣＣ）に関わっていらっしゃることを思い出されるでしょう。皆の期待もそこにあるのでは。

　小林　今はＡＰＣＣ参加者による同窓会組織ブリッジクラブ（ＢＣ）が参加国27カ国に設立され、同クラブ国際組織によるネットワーク強化も行なわれています。福岡とつながりを持つ地域が世界中に広がりつつありますから、これをビジネスと関連付けて、中経協との事業にできれば面白いですよね。福岡にはビジネスの先駆者はいっぱいいますから、そのような人たちを講師に招くなどして、海外進出を考える中小企業の経営者たちが夢を実現できるような事業が興せないかと考えています。まずはアジアに造詣が深いリーダー格の人物を座長とし、20社ぐらいをメンバーにして、月１回勉強会を行なうことなどを草案中です。

＜海外に出る日本人が一番多い福岡へ＞
　――日本学生支援機構が発表した2012年の留学生数（12年５月１日現在）によると、海外から日本に来る留学生は２年連続で減っているそうですね。10年に14万1774人だった留学生は、12年の統計では13万7756人だそうです。

　小林　そのような状況下で、福岡県は東京都に次いで留学生が多い都市として全国でも２、３番目の位置にありますから、私たちもグローバル都市としての力を発揮できるような仕組みをつくりたいですね。ありがたいことに、ＡＰＣＣは昨年「平成25年度外務大臣表彰」を受賞し、活動に対する一層の理解と支持を国民レベルでいただけるようになりました。
　しかしＡＰＣＣには、国際人を育てた実績はあっても、その受け皿についてはまだ十分とは言えません。海外に出る日本人が、若者を中心として減少している傾向は、福岡においても例外ではなく、ＡＰＣＣブリッジ事業と中経協連合会を組み合わせて、ゆくゆくは「日本で一番海外に出る人数が多い福岡県」にしたいものですよ。実は今年、福岡県中経協が設立40周年を迎えるのです。そのレセプションの場には、連合会が実績を発表する場も設けられるそうです。その場では、ぜひ何がしかの報告を上げたいですね。

　――設立早々実績を求められるのは、プレッシャーではありませんか。

　小林　実績は、残すから面白いんですよ。勉強会だけでは全然面白くありません。

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＜PROFILE＞
福岡県中小企業経営者協会連合会　第６代会長
小林　専司(こばやし・せんじ)
福岡ロジテム（株）代表取締役社長。1998年に開催された「アジア太平洋こども会議・イン福岡（以下、APCC）」の初代実行委員長。2012年には25周年実行委員会実行委員長も務めた。現在、国際交流に関する団体などの役職を数多く担い、13年６月、福岡県中小企業協会連合会第6代会長に就任。同協会会長として、さらに任務の場が広がりつつある。

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