福岡市の人事が発表された。一言でいえば「情実人事」。もう少し長く表現すれば、高島宗一郎市長の言うことを聞く人間だけを偏重する歪んだ人事と言うべきものだろう。「お友だち」ばかり集めたがる安倍晋三首相とよく似ている。
新聞紙上に掲載された課長級以上の異動状況を見て、憤りを覚えた市職員やOBは少なくなかっただろう。名前や役職を明らかにすると、ご本人に迷惑がかかるので差し控えるが、高島市長のわがままに批判的な職員、役所としての筋を重んじる職員の多くが、片っ端から異動させられたかたち。中央区天神の市役所本庁舎から外に出されるか、閑職に追いやられているのである。
一方、お追従組の出世は、いくつも例が挙げられる。市長室長になったのは、光山裕朗前総務企画局企画調整部長。市長と極めて近いだけでなく、市長の親友で今月末をもって市顧問を退任する後山泰一氏とも親しい間柄。昨年秋の後山氏の結婚披露宴にも出席していたことがわかっている。ニュースサイト「HUNTER」が報じた、カワイイ区の疑惑の業者選定で、選考委員長を務めていた人物でもある。業者選定疑惑が拡大しないことを祈るばかりだ。
選挙がらみと言われているのが、道路下水道局の管理部長人事。新任の中村貴久氏は、港湾局港湾振興部長からの異動なのだが、中村氏が港湾振興部長の職にあったのは、わずか1年。道路下水道局の管理部長が利権に関わるというポストだけに、異例の動きに注目が集まる状況だ。それというのも、中村氏が高島市長の側近として知られる人物で、後山顧問の結婚披露宴出席組だという背景がある。疑わしい仕事だけは控えてもらいたい。
おかしな人事はまだまだあるが、例示すればきりがないほど。市政に関するニュースを報じていくなかで、おいおい紹介していくしかない。やれやれ、である。
▼関連リンク
・ 福岡市HP 役付職員の人事異動(総務企画局人事課)(PDF)
※記事へのご意見はこちら