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濱口和久「本気の安保論」

中国・習近平主席がドイツで反日講演
濱口和久「本気の安保論」
2014年3月31日 15:23
拓殖大学客員教授 濱口 和久

 ドイツを訪問した中国・習近平国家主席が3月28日、ベルリンで講演し、執拗な日本批判を展開した。講演の要旨は以下の通り(産経新聞3月30日付)

・日本の軍国主義によって3,500万人の中国人の死傷者が出た。
・南京で旧日本軍は30万人以上を殺害した。
・日本の戦時中の蛮行は記憶に生々しく残っている。
・ドイツ人ジョン・ラーベが「南京大虐殺」の詳細を日記に書き、重要な証拠を残した。
・中華民族もドイツ民族も偉大な民族だ。人類文明の進歩に大きく貢献している。
・中国は覇権を唱えないが、列強に植民地化される悲劇は絶対に繰り返さない。

 とくに「南京で旧日本軍は30万人以上を殺害した」は、中国の「反日宣伝」のなかでも日本を貶める最大のものである。日本は中国に対抗し、本当の真実を世界に発信していかなければならない。

<目撃されていない日本軍の組織的虐殺行為>
 日本軍が南京を占領した昭和12(1937)年12月13日、南京には日本人、中国人だけでなく、欧米の居留民やマスコミの記者が多数いた。しかも、日本軍が南京入りした際には、欧米人たちを中心にして、市民の安全を守るための南京国際委員会が組織されていた。つまり、南京占領は衆人環視のなかで行なわれた。

 南京は東京都世田谷区くらいの面積しかなく、南京国際委員会のメンバーには行動の自由が認められていた。そうした状況で、現在の中国側が主張する20万、30万人の虐殺が行なえるのだろうか。実際、この当時、欧米の一流新聞・雑誌で、南京で何万という虐殺が起こったと報道したものは1つもない。中国国民党も南京から重慶に移動してから、米英などのマスコミを相手に何度となく記者会見をしているが、南京虐殺について1度も言及していない。

 ナチスドイツのホロコーストは明らかに事実であるが、「南京大虐殺」は実際には存在しないのである。これは東京裁判(極東軍事裁判)を行なった連合国が作り上げた冤罪である。とくに米国は焼夷弾による東京大空襲、広島・長崎への原爆投下により市民(非戦闘委員)を一瞬にして30万人を殺した行為を正当化するために「南京大虐殺」をでっち上げたと言っても過言ではない。連合国は日本軍が人道に外れたことを行なったという証拠を必要としたのである。

img03.jpg 当時、南京の人口は多めに見積もっても20万人しかいなかった。東京裁判が正しいとすれば、日本軍は南京市民のほとんど全員を殺したということになる。ところが、南京国際委員会の調査では占領後の人口は減るどころか、半年後には25万人に増えているのである。東京裁判では、南京国際委員会のメンバーだったマギー牧師が生々しい証言をして、世界中の注目を集めた。検察側は、マギー牧師の証言こそが虐殺の揺るがぬ証拠だとして自信満々であったが、弁護団から「牧師自身が実際に見た殺人は何件でしたか」と尋ねられると、「たった1人です」と証言している。

 しかもそれは、警備の日本兵が不審尋問から逃げ出そうとした中国人の青年を射殺したものであり、虐殺と呼べるものではなかった。マギー牧師のように、南京を自由に歩き回ることのできた人ですら、日本軍による殺害をたった1件しか目撃していないのである。

<日本陸軍の冤罪を回復すべし>
 朝日新聞をはじめとする日本の新聞は「これぞ南京大虐殺の証拠」として、様々な写真を掲載したが、亜細亜大学・東中野修道教授らの調査・研究により、トリック写真や南京とは無関係の写真であることがすでに判明している。南京にいた日本軍のなかに、一部軍律を守らない不心得者がいたことは事実である。しかし、ある推計によれば、殺人事件は、「南京で旧日本軍は30万人以上を殺害した」(習近平主席)に対して49件にすぎない。そして、こうした不心得者の多くは、軍律に基づいて処罰されている。殺人事件は、南京に紛れ込んだ中国兵の便衣隊(偽装兵士)に悩まされていた日本軍が、便衣隊と市民とを間違えて殺害したものがほとんどであり、戦争という状況下では残念ながら起こり得ることである。

 「虐殺」は、組織的かつ連続的に人殺しがなされなければ成し得ない。焼夷弾や原子爆弾といった大量殺戮兵器を使用すれば、簡単に20万~30万人を殺すことは可能かもしれない。しかし、南京にいた日本軍が持っていたのは銃器といった通常兵器だけである。しかも、日本陸軍は建軍以来、1度として潤沢な弾薬を保有したことのない軍隊だ。丸腰の市民を大量殺害するための弾の余裕などはなかった。

 このままでは、日本民族はいつまでも濡れ衣を着せられたままの犯罪国家として、子子孫孫まで生きて行かねばならなくなる。

<プロフィール>
hamaguti_p.jpg濱口 和久 (はまぐち かずひさ)
昭和43年熊本県菊池市生まれ。防衛大学校材料物性工学科卒業。陸上自衛隊、舛添政治経済研究所、民主党本部幹事長室副部長、栃木市首席政策監などを経て、国際地政学研究所研究員、日本政策研究センター研究員、日本文化チャンネル桜「防人の道 今日の自衛隊」キャスター、拓殖大学客員教授を務める。平成16年3月に竹島に本籍を移す。現在は、日本防災士機構認証研修機関の(株)防災士研修センター常務取締役。著書に、『思城居(おもしろい)』(東京コラボ)、『祖国を誇りに思う心』(ハーベスト出版)、「だれが日本の領土を守るのか?」(たちばな出版)。11月25日には、夕刊フジに連載中の企画をまとめた『探訪 日本の名城 上-戦国武将と出会う旅』(青林堂)を発売。公式HPはコチラ


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