120名スタッフ全員が空手家という警備会社(株)拳和警備保障(本社:福岡市博多区)。代表の石松剛氏は実戦空手「総流」7段の達人。
10歳から鍛錬を続け米海軍佐世保基地で指導した。この時期ちょっとした事件が起きる。「腕に覚えが有る人は本場に来れば腕試ししたくなる」。3名の海兵隊員にけんかを挑まれたのだ。身長166cmの石松氏は瞬く間に撃退。「鬼の石松」と恐れられることになる。
後に「全日本エキサイティングプロ空手」を設立。自身は中量級チャンピオンとして永く活躍した。今でも背筋、腹筋500回、左右のすね強打1,000回を怠らない。
2004年に拳和警備保障を設立。経験を活かし、身辺警護や保安業務を主力に手掛ける。身辺警備は文字通り命懸けの業務。同社の採用条件は空手習得者であることだ。ただし「重要なのは正義感を持っている」こと。強い思いがあれば空手未経験者でも採用する。石松氏は空手道場も運営しており、そこで稽古を積めるからだ。
「空手は弱者を守るためのもの」という石松氏は、いじめられっ子や障がい者の門下生も少なくない。そうした人から「元気な声で先生と呼ばれるのが何よりもうれしい。」と語る。
また、身体だけでなく子供たちの心の指導も行なう。小学校に出向いて、万引き防止教室に行なうのだ。
拳和警備保障の信条は生命・財産・身体を守ること。実績を買われ約80カ所の量販店・スーパーなどで保安警備を手掛け、年間千人に及ぶ万引き犯と向き合ってきた。気付いたのは先輩や友達に誘われて手を染めてしまうケースが少なくないことだ。石松氏は「断る勇気を持ってほしい」と願ってやまない。
常に社会的弱者への視線を投げかける石松氏は活動の裾野を広げ、母子生活支援施設の百道寮と室見寮にクリスマスケーキやうなぎの差し入れを続けている。その数約250。費用は道場の指導料などからねん出する。「これからも出来る限りサポート限り続けていきたい」と息の長い援助を決意している。
<COMPANY INFORMATION>
(株)拳和警備保障
代 表:石松 剛
所在地:福岡市博多区比恵町2-33
設 立:2004年12月
資本金:1,000万円
警備員:約120名
TEL:092-477-9534
FAX:092-477-9535
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