4月1日から福岡市博多区中洲地区の那珂川沿いに、新たに有料の駐輪場が開設された。それまで、そのエリアは無料で駐輪できるスペースが用意されていた。有料化に際して、市民から不満の声が上がっていたのは言うまでもない。周辺地区も含めて、無料で駐輪できることのほうが珍しく、通勤で自転車を使用する多くの人々が重宝していた。あまりにも利用者が多いため、自転車がびっしりとすし詰めになっており、自分の自転車の捜索と取り出しに一苦労といった様子であった。
ところが、有料化とともに、同じスペースに停められる自転車の数が激減した。中洲中島町のスペースはがらがら。中洲5丁目では、一見、混雑しているかのように見えるが、近くで見ると、駐輪設備にところどころ空きがあり、まだまだ余裕タップリ。そのようななか、意地でも金を払いたくないのか、あえて駐輪禁止となっている通路に停めている自転車も少なくはなかった。
驚きを禁じ得ないほどの変わり様に呆気にとられてしまう。少し離れた職場から停めに来ていた人が、あきらめて近所の有料駐輪場の方に停めるようになったのか。あるいは、自転車通勤そのものをやめてしまったか。全体的に、自転車マナーが悪いと言われ、放置自転車の問題を抱えている福岡市。市民の強い味方と言える無料の駐輪スペースがなくなったことが、どのような影響をおよぼすのか、気がかりである。
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