今年はカジノ解禁を迎える画期的な年になりそうだ。
昨年12月5日、自民、公明、民主、維新など超党派の国会議員が、カジノ解禁を含めた特定複合観光施設の整備を推進するための法案を臨時国会に提出。カジノの合法化を目指す超党派の「国際観光産業振興議員連盟」(会長・細田博之自民党幹事長代行)は、同法案の成立を後押ししており、今年5月の大型連休明けに審議入りする予定で、今国会の開催中に通過する見通しが高まっている。
国会でカジノを合法化する法案が提出されたのを受けて、米カジノ運営大手「ラスベガス・サンズ」が日本事務所を開設し、積極的な売り込みを展開するなど、すでに巨大市場をにらんだ前哨戦が始まっている。
事情通によると、「順調に進めばカジノ第1号は2020年の東京オリンピックに間に合うタイミングで実現する可能性が高く、東京や大阪の二大都市や北海道・九州・沖縄などを含む10の地方都市にカジノが設立された場合、年間の売上高は約4兆円が見込まれ、米国、マカオに次ぐ世界第3位の市場に成長する」と語る。
安倍政権は3本目の矢として成長戦略を打ち出しており、そのなかで観光立国ニッポンを重点分野と位置付けている。日本政府観光局は、昨年の訪日外国人数が念願の1,000万人を超え、1,036万人にのぼったと発表したが、それでも世界で見ると30位と低く、アジア地域では中国・マレーシア・香港・タイ・マカオ・韓国に次ぐ7位に甘んじているのが現状だ。
ちなみに世界の外国旅行者数ランキングをみると、1位のフランスが8,300万人、2位のアメリカは6,700万人、3位の中国は5,800万人、4位スペイン5,800万人、5位イタリア4,600万人、6位トルコ3,600万人、7位ドイツ3,000万人、8位イギリス2,900万人、9位ロシア2,600万人、10位はマレーシアの2,500万人となっており、やっと1,000万人を超えた日本とは大きな差がある。
先進国首脳会議(G8)の参加国でトップテンに入っていないのは日本とカナダ(16位、1,600万人)の2カ国だけであり、世界の主要国では観光業が大きな産業となっている。
そのため政府は、2020年に東京オリンピック開催が決定したこともあり、訪日外国人数を今後6年間で2013年の2倍にあたる2,000万人、その10年後の2030年に3倍の3,000万人を超えるという意欲的な目標を立てている。
国連教育科学文化機関(ユネスコ)は、日本政府が推薦した「和食 日本人の伝統的な食文化」を無形文化遺産に登録することを決めた。日本からの登録は歌舞伎や能楽などに続き22件目。
日本の食文化が国際的な評価を得たことで、外国人観光客の増加や農水産物の輸出拡大につながる可能性が高く、それを強く後押しするのがカジノ解禁と言われている。
九州では、長崎県佐世保市の「ハウステンボス」と宮崎県宮崎市の「フェニックス・シーガイア・リゾート」がカジノ誘致の名乗りを上げており、果たして日本を代表する観光地として復活を果たせるかどうかに注目が集まっている。
※記事へのご意見はこちら