「福岡の食の魅力を発信しよう」と、香港、スペインの一流シェフを招き、福岡県産の食材を使って料理を作ってもらおうというレセプションが先日、福岡市内で開かれた。一般参加者以外にも、中国や香港、台湾、韓国、インド、タイなどからもメディア関係者を招待、「FukuokaNow」の編集長、サーズ・ニック氏や、2代目カワイイ区長ミカエラ・ブレスウェートさんら、在福の欧米メディア関係者らも招かれた。
「福岡の食を海外に発信したい」という主催者の思惑があったのだが、海外のメディア関係者からは、辛辣な意見が多数聞かれた。ある中華系の関係者は「欧米式の様式で料理が出されており、『箸』が用意されていなかった。とくに前菜のサラダは、ナイフとフォークでは食べにくく、味を堪能するどころか料理を口にするまでが難しかった。日本人も箸、招かれたほとんどが箸文化の国の記者が多いのだから、箸を用意して欲しかった」と話していた。
また、ある欧米系の関係者は「料理は美味しいと思えたけど、『福岡の食の魅力』となると関連性の説明が難しい。食材は他の地域にもあるものとあまり変わらない。『福岡らしさ』が見えなかった」と率直に述べた。また、ある関係者は「料理が複雑すぎて『堪能』できなかった。また『福岡』というキーワードと一致させることが難しい。ただメニューに『福岡県産』などの単語が出てくるだけ。それからソフトドリンクよりも、ワインや焼酎など酒が次々に出てくるため、酔っぱらってしまい、味わうどころではない。和食の『丼』とか『もつ鍋』のような料理も加えると福岡らしさも出てくるのではないか」とワインを飲んで、赤らんだ顔で話した。
「福岡の食のブランド力を高めたい」ということで海外メディア関係者も招致してのイベントだったが、このように主旨とは方向性の違うところでの「本音」が多数聞かれた。海外メディア関係者は「率直に」言論する傾向にあるので、そういった意見に耳を傾けながら「福岡の食の魅力」を発信していく必要があるだろう。
※記事へのご意見はこちら