台南の観光名所と言えば赤崁樓(チーカンロウ)だ。台湾は日本以前に、清やオランダによって統治、赤崁樓は1652年にオランダ人の手によって建造され、国家一級古跡に指定されている。そのそばにあるのが、担仔麺(タンツー麺)の「度小月」と花枝羮(イカとろみスープ)で有名な「赤崁樓」だ。「度小月」は、あっさりしたダシの風味に、エビの香りがほんのりと活きる味わいが特徴。「赤崁樓」はコリコリのイカと魚のすり身でつくった団子を入れたスープ・花枝羮が看板メニューだ。赤崁樓界隈では、その食の2店舗に加え、新しくオープンしたスイーツショップが人気を集めている。
「貝伊拉(ベイラ)」というスイーツショップはフランスを意識したという雰囲気で、主力商品はパンナコッタとマカロンだ。とくに、パンナコッタはチョコレート、抹茶、紅茶、芝麻、小豆、キャラメル味など種類豊富。日本人に人気は抹茶風味とのこと。施惠珍サブマネージャーは「繊細な食感や味わいはもともと日本人好みですが、台湾人にも受け入れられています。最近は海外からのお客さんにもたくさん来ていただいています」と話す。口に入れると、ほんのりとした甘みが広がり、プルプルの食感が楽しい。主材料となる牛乳は北海道から輸入で取り寄せ、小豆は美味しいとされる地元台南産のものを使用。食材にもこだわっている。昨年の「台湾人気おみやげ国家優良商品コンテスト」で金賞も受賞している。
赤崁樓には、日本、韓国をはじめ、最近では大陸からの観光ツアーが大量に押し寄せている。観光ツアーでの赤崁樓見物を早めに切り上げ、空いた時間でタンツー麺やイカとろみスープをペロリ。そして貝伊拉に足を伸ばすパターンが『鉄板』となっているようだ。すべてが徒歩圏内で、貝伊拉はテイクアウトもイートインも可能。施惠珍サブマネージャーは、「いずれは台北などにも店を広げていきたい。海を渡っての事業展開も夢の1つ。『鮮度を保ちながら、味と美味しさをスピーディに運べるか』が重要」と今後の展開について語った。
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