公益社団法人日本人間ドック学会(東京都千代田区、奈良昌治理事長)と、健康保険組合連合会(東京都新宿区、布施光彦会長)は、4月4日に公表した「新たな健診の基本検査の基準範囲~日本人間ドック学会と健保連による150万人のメガスタディー」について、同公表はあくまでも中間報告であることを7日に発表した。
同学会では、4日の公表に対し、一部マスコミで「人間ドックの新たな検査基準が決定した」と解釈した報道があり問い合わせなどがあったため、改めて報道機関に対し、「4月4日報道機関へ公表した内容について」を告知したもの。
健診の血液検査の基準範囲は、受診者の正常、異常を判別するうえで重要な指標だが各健診機関によりまちまちであることが課題となっていた。同学会では全健診機関に適用できる基準範囲が必要であると考え、2013年~14年の2年間にわたる事業として健康保険組合連合会と共同で研究を開始。現在は2013年度分の事業実施報告を取りまとめる段階となっており、予定として5月をめどに最終報告書をまとめることになっている。
4日に公表された調査結果は、約150万人の人間ドック健診受診者の健診データについて、肥満度、血圧、脂質、血糖などの検査値を集積して研究したもの。データのもととなったのは、約150万人のなかから「健康人」を抽出していった結果、最終的に選び出された約1万~1万5000人の「超健康人(スーパーノーマルの人)」。
新たに示した基準範囲について、「いわゆるスーパーノーマルの人はこの検査値の範囲である事を意味するものであり、専門学会がガイドラインで示している疾患判別値とは異なる」「今までに類のない調査結果であるので、今後健診機関の共用基準範囲として健診の現場で用いられる事が期待される」と記している。
同学会は「4日に発表した内容は、今後数年間データ追跡調査を行なったうえで結論を出していく。今すぐ変更、あるいは新基準の決定を公表したものではない」とコメントしている。
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