<自ら汗水流し業界の地位向上を目指す>
生コン業界では、誰もがその存在の大きさを知っている味岡和國代表。生コン製造のグループ12社・21工場を率いる、地元熊本の業界、そして生コン工業組合九州地区本部のトップである。さらに全国生コンクリート工業組合連合会・全国生コンクリート協同組合連合会(ZENNAMA)の理事という要職にも就いている。味岡代表が生コン業界における九州の雄であることは、自他共に認められている。なぜなら、生コン業界の地位向上、そして各工場の経営指南など、各所各シーンで生コン業界の進化と発展のために味岡代表自ら汗水を流しているからだ。それは、毎日休まずに味岡代表が車を運転し、関係する各地区・各社の経営者に会って膝を突き合わせて問答し、課題解決を行なっていることにも表れている。その走行距離は、1日平均300~400kmという。66歳の現在も日々躍動しており、その姿勢は不変である。通信手段などのコミュニケーションのツールは年々進化を遂げているが、味岡代表は「直接会ってじっくり話を聞き、対話することが一番のコミュニケーション。顔と膝を突き合わせれば、どんな困難な課題でも解決できる」と断言する。
近年における事例として、現・熊本地区生コンクリート(協)(旧・熊本中央生コンクリート(協)が3年間共販の活動が事実上休止していた。その活動休止により、我が国で2番目に安い1m3あたり6,150~6,300円(建築18・18・20N)で販売されていたのである。その異常事態を、味岡代表が紆余曲折を経て、協同組合再構築の取りまとめ役となった。一度は固辞したが、各工場の経営陣から「味岡さんしかいない」という嘆願があり、その役に就いた。そして味岡代表のリーダーシップにより、13年1月に協同組合が再構築され、共同販売が再開されたのだ。
そこで、まず最初に着手したのが、販売価格の適正化である。建築1万3,000円/m3、土木1万2,800円/m3で販売することを決定。当然ながら、販売先の建設業界や官公庁からは猛反発があった。それまで6,000円台だった価格が、2倍以上となるからだ。だが、もともと6,000円台の生コン価格こそが尋常ではないことは明白であった。1万3,000円は、生コン業界での各コストを反映させた適正価格であり、各工場が健全な経営を行なえる価格。すなわち1万3,000円とは生コンの供給側が過剰に儲けを設定しているのではなく、原材料や輸送などのコストを吟味したうえでの設定である。味岡代表は、その適正価格についての経緯を自治体の関係関連部署やゼネコン、両調査会(物価・建設)に対して何度も地道に説明を行ない、その結果、認められたのである。価格の交渉において一切手を抜かず、妥協せず、徹底した話し合いで合意に達した。どんなに厳しい状況下でも、一度引き受けたら必ず良好な結果に導くのが、味岡代表の真骨頂である。長年の業界で培った経験と人脈により、解決策の引き出しを誰よりも多く持っているのだ。
現在、生コン業界全体が好況で、各社各工場とも業績が上昇している。順調に収益が確保できていることから、「お金がある」と見てしまいがちだ。だが、そこが落とし穴で、味岡代表は「今までの累積損失を解消して、財務体質を強固にしておくこと」を明示している。常に自らが生コン工場経営の手本を示し、今後の指針を明らかにしている。
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<COMPANY INFORMATION>
代 表:味岡 和國
所在地:熊本県球磨郡あさぎり町免田西3278
設 立:1991年2月
資本金:2,000万円
TEL:0966-45-0100
URL:http://www.ajioka-group.jp/
<PROFILE>
味岡 和國(あじおか・かずくに)
1947年8月30日生まれ。1965年4月味岡建設(株)入社。89年9月に味岡リース(株)、91年2月に味岡(株)を設立、代表取締役に就任。その間味岡生コンクリートグループを形成し、滋賀県・広島県・長崎県・大分県・宮崎県・鹿児島県・福岡県・熊本県に21工場を有する。趣味は、狩猟。
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