<生コンで『大地を守る』という使命>
熊本市街地の目抜き通りに、同社グループの掲げたPR看板がある。もちろん同社およびグループのブランドイメージ向上という目的はあるが、さらに深く見ると、業界の地位向上が日々進められ、各工場に健全な経営を実践してほしいという味岡代表の想いが強く感じられた。各工場の健全な経営こそが、掲げているPR看板のメッセージ『コンクリートは大地を守る』に集約されている。大地を守る=人々の命と地球環境を守るということが、味岡代表の事業推進の本質であろう。一方の側面から見ると、単なる建築・構造物のいちコンテンツの供給という単純な仕事でなく、生コン製造・販売は『生命と自然を守る崇高な仕事である』という自覚を業界や各工場に対して促しているのだ。
市場環境の優劣を問わず、自ら何時も前面に出て、業界を適正化し地域社会に貢献しようとする味岡代表の活動は、決して真似することはできない。だが、味岡代表から学び自分に何ができるかを発見することはできるだろう。とくに生コン工場の2代目・3代目の経営者およびその候補者は、味岡代表の日々の姿勢から何が大切なのかを学び、実践すべきである。その学びや気づきとは、事業を通じての使命感と、業界の地位をより向上させようという意欲と熱量だ。
<福岡地区への進出に向けて>
味岡代表のもう1つの目標は、福岡地区への進出である。これは、長年持ち続けている味岡代表の大きな目標であり、大願である。九州地方の最大の市場である福岡地区の進出を成し遂げることで、業界における真の九州のキーパーソンとなるのである。それは誰よりも、味岡代表本人が一番わかっていることである。だが、福岡地区のある業界関係者は、「今の好調な市況で今後も上昇が見込めるなかで、工場の経営を手放す企業はないだろう。既存の工場の買収は困難では」という意見が多数を占める。また、熊本地区生コン協組が再構築されて1年が経過し、組合活動として安定に向かっているが、価格面の改定など課題はまだある。基盤を固める時期である現在、まずは熊本地区の組合活動の基盤を固めたうえで、福岡地区への進出に本格着手することも1つの選択肢であろう。
良く言えば協調性があるが、異なる表現をすると『ぬるま湯体質』である福岡地区生コン協組。同協組に、強力なリーダーシップを有する味岡代表が進出することで、長年のアウトサイダー問題も一気に解決して、福岡地区の市場が一層活性化されることは想像できる。「味岡代表が福岡に進出しても、そう簡単に体質を変えることはできない。都心部での生コン製造の経験値が乏しい」という声もあるが、味岡代表ほどの求心力を持つ経営者が、果たして福岡地区にいるだろうか。味岡代表の業界での年数もさることながら、実務面でのさまざまなケースや局面での経験値で、どの地区であっても活性化できるのではないだろうか。生コン業界の地位向上に対し、強い使命感で心血を注ぐ味岡代表。近い将来の福岡都心部への進出に期待したい。
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<COMPANY INFORMATION>
代 表:味岡 和國
所在地:熊本県球磨郡あさぎり町免田西3278
設 立:1991年2月
資本金:2,000万円
TEL:0966-45-0100
URL:http://www.ajioka-group.jp/
<PROFILE>
味岡 和國(あじおか・かずくに)
1947年8月30日生まれ。1965年4月味岡建設(株)入社。89年9月に味岡リース(株)、91年2月に味岡(株)を設立、代表取締役に就任。その間味岡生コンクリートグループを形成し、滋賀県・広島県・長崎県・大分県・宮崎県・鹿児島県・福岡県・熊本県に21工場を有する。趣味は、狩猟。
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