衣料品店「ユニクロ」を運営する(株)ファーストリテイリング(本社:山口市、柳井正会長兼社長)は10日、2014年8月期の第2四半期(13/9月~14/2月)の決算を発表した。
それによると連結決算で、売上高は7,643億4,900万円(前年比+24.3%)と大幅に増加したものの、純利益は1.4%減の645億5,700万円と増収減益となった。
売上高については、国内のユニクロ事業で冬物の主力商品「ウルトラライトダウン」や「ヒートテック」など防寒着の販売は好調だったが、純利益は4月からの消費税引き上げをにらみ、昨年末から早々に在庫一掃の値引き販売を強化したことや、海外の販管費が増加したため、利益率が低下し減収となった。
このため通期の純利益予想は、期初では920億円(前期比+1.8%)としていたが、880億円(▲2.8%)に減額修正した。
売上高については、従来予想では1兆3,220億円だったが、海外への出店が本格化したのを受けて、480億円上回る1兆3,700億円(前期比+19.9%)と増額修正した。
なお、一株当たりの配当金については従来予想の通り、前期比+10円の増配とし、通期300円(中間期150円実施し、期末予想150円)を維持する。
週末にはオプションSQに絡んだ売買が大幅に売り越しだったことに加え、好調が予想されていたファーストリテイリングの純利益が3%減となったことや、アメリカで武田薬品工業の糖尿病薬「アクトス」を巡る訴訟問題、トヨタ自動車の大量リコール報道などが嫌気され、東証上場の株価は全面安の展開となった。
NISA保有比率が高いとされる主力大型株の下げによって市場心理が冷まされる格好になり、日経平均13,960円05銭(前日比-340円07銭)と大幅な下げに見舞われ、2月の安値(2/4 14,008円.47銭)をあっさり割り込む格好となった。因みにファーストリテイリングの11日の株価(終値)は33,820円(前日比マイナス2,890円、▲7.9%)、と大幅に値を下げた。
山口県に本社を構えるファーストリテイリングは、先月国内のユニクロ店舗で働く約3万人のパートやアルバイトのうち、その半分強の1万6,000人を地域限定で働く正社員に転換する方針を発表。
安倍総理と同郷の柳井社長は、アベノミクスの政策を側面から支援する立場にあったが、今回の決算発表はその足を引っ張る格好になっており、収益改善のために東奔西走することになりそうだ。
※記事へのご意見はこちら