博多座(福岡市博多区、芦塚日出美社長)は今年開場15周年を迎える。これを記念して4月6日から29日まで「武田鉄矢・前川清特別公演」が、博多座で行なわれている。4日に行なわれた記者会見で、武田氏と前川氏は「お客様の反応が舞台を創る」と記者団に語った。これを受けてNET-IBでは、通し稽古と本番を比較し、「お客様と創る舞台」の魅力を探っていく。
<観客がドラマの進行を助ける>
舞台は、演じる端から俳優と観客の反応が察知できるところが愉しくもあり怖くもある。それが「花道の下は奈落」(武田氏)といわれる由縁であろう。これを花道にしてくれるのは観客だ。劇場内をぐっと盛り上げるには、座席から舞台を見つめる多くの客と、タイミングよく入る拍手や掛け声が必要だ。また今回の舞台には、六兵衛みずから舞台から降りて、観客を巻き込んでいく仕掛けもある。
実は、この観客に絡む仕掛けの場面は、演出上、不可欠なものだ。この場面が盛り上がれば盛り上がるほど、その後の昂軒と六兵衛の立ち位置の変化が明確になる。観客は役者との交流の場として大いに楽しみながら、ドラマの進行に寄与している。ここは観客の力を借りて昂軒と六兵衛が大きく変化していく大切な場面なのだ。どういう場面かというのは、観てのお楽しみである。
<ショーは役者と観客が直接交流する機会>
第2部の歌謡&フォークソングショー「前川清と海援隊+1オン・ステージ」では、役者の衣装を脱いだ両氏と直に接することができる。「海援隊+1」は、海援隊3人に、前川氏の長男、紘毅氏も加えた4人で、「クールファイブ」ならぬ「クールフォー」として前川氏を盛り上げる。プログラムには、海援隊やクールファイブの往年のヒット曲「贈る言葉」や「長崎は今日も雨だった」から、紘毅氏が、前川氏の出演する旅番組のために書き下ろしたエンディングテーマ「日曜日」まで、幅広い年齢層に応える楽曲が並ぶ。
個人的には、武田氏がこの4月公演のために書き下ろしたという新曲「そうだ、病院へ行こう」が気になった。なかなかシニカルな歌詞だが、軽快なリズムのおかげで心地よくメロディが記憶に残る。創作の背景についてはある程度舞台上のトークで聞かせてもらったが、大病を患った武田氏自身の思い入れもあろう。機会があったら武田氏の気持ちを尋ねてみたい気がした。
≪ (中) |
■博多座開場15周年記念「武田鉄矢・前川清 特別公演」
<日 時>
4月6日(日)~29日(祝)
昼の部:午前11時~/夜の部:午後4時~
<場 所>
博多座
<観劇料(税込)>
A席:14,000円/特B席:10,000円/B席:7,000円/C席:4,000円
<演 目>
第1部:鷹と雀のものがたり
第2部:前川清と海援隊+1オン・ステージ
※第2部のみの鑑賞もあり
<制作>
博多座
<チケットに関するお問い合せ>
博多座電話予約センター(午前10時~午後6時)
TEL:092-263-5555
詳細はコチラ。
▼関連リンク
・(株)博多座
※記事へのご意見はこちら