日本人観光客から注目を集める「台湾」だが、行ってみると「残念」なことも多い。雑誌や観光情報誌は基本的には「良いこと」しか掲載しないので、現地在住者からの「リアル」な情報は、非常に参考となる。
台湾は福岡から飛行機で2時間前後と、一見すると便利だ。午前便で福岡を出発すると、台北桃園空港に着くのは正午前。「さあ昼ご飯か」というところだが、まず関門が登場する・・・。入国審査でかなり待たされるのだ。入国審査場は基本的に「中華民国(台湾)のパスポートを持っている」「持っていない(外国人)」の2種類で分けられる。台湾人の審査場は、担当ゲートも空いている箇所が多く、一人も並んでいないスカスカなところもある。日本人は「持っていない」方に並ぶが、空いているゲート(担当者)が少なく、さらに最近では、大陸からの大量のツアー客が時折、列を割り込んでいく。大陸の人間は「列に並ぶ」という概念が希薄なのだ。ツアーガイドが大声で「割り込み行為」を制する場合もあるが、客が多すぎるため制しきれない時がある。そんな場合は、日本人でも「不要挿隊!(プヤオツァートゥイ/列に割り込むな)」と叫び、制した方が良い。大陸人は案外「言うこと」は聞く傾向にあり、ましてや「(ふだん穏やかな性質の)日本人が怒る」というめったにない光景に対しては萎縮するので、「中国人のマナー違反行為は毅然とした態度で叱る」という形で接した方が良い。
また、台湾は空港でさえもトイレが汚い。中華圏全体に言えることだが「トイレをキレイに保つ」という発想が日本人に比べて断然劣る。中華圏からすれば「日本人が異常にキレイ好き。神経質」と思っている節があるので、この点は一向に進歩しない。使用して異常に汚いトイレを目にし、その光景が目に焼き付いたまま離れず、その後の食欲まで奪ってしまう可能性もある。台湾が誇るせっかくの「美食」も台無しだ。公共施設のトイレは「できるだけ使用しない」ことをお薦めしたい。
空港から台北駅へはタクシーかバス移動になるが、これらの交通機関はほこりっぽく「シートの手入れや掃除があまりなされておらず汚い」ので、お気に入りの服は着ていかない方がよいだろう。地元の台湾人でも、マイカー以外の「公共交通機関」を使う時は、お気に入りの服を着ない傾向にある。
ましてや、梅雨期になると台湾(特に北部)は晴れ間がほとんど出ず、半乾きのままシャツを着る男性客や運転手が多いので、車内は汗や水(カビ)臭いニオイが蔓延する。「ニオイ」に敏感な日本人は要注意だ。マスクなどを常備しておきたい。
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