植草一秀氏のブログ「知られざる真実」第835号「STAP細胞問題核心は理化学研究所の怠慢にある」を紹介した4月10日付の「STAP問題、理研の対応を批判~植草氏」に対し、メールでご意見が寄せられたので、内容を紹介します。
「小保方氏はSTAP細胞作製の証拠を保存していると主張した。理化学研究所は調査の段階で、小保方氏から十分に事情を聴取し、確認できる問題については、すべての確認を行うべきであった。ところが、小保方氏の発言から推察されることは、理化学研究所と小保方氏の論議が、ほぼ皆無に近いというものである。」
以上は、4/9の理研・小保方氏の記者会見を受けての植草一秀氏の理研に対する批判であるが、これは、的外れのご意見ではないでしょうか?
そもそも、研究者が、論文を公表するに際しては、その結果の裏づけとなる「実験ノート」が必須であり、その「ノート」は、他の研究者が読んで、特に、本人の説明が無くても(本人不在、死去等の場合もある)その成果をトレース(検証)できる内容と成っていなければならないことは、研究者としては「イロハ」なレベルのことであります。小保方氏の、理研調査委員会からの聴取が不充分であったという抗議は、見当違いと思われます。200回以上、STAP現象を確認したと小保方氏は主張していますが、それならば、それに見合う200回以上の実験再現が可能な「実験ノート」の記述が存在しなければなりません。ただ、ノートが何冊かあれば良いというものではなく、その記述内容が、他の研究者の検証に耐えられるものでなければ意味が無く、200回以上の結果の裏づけにはなりません。
また、小保方氏は、「STAP現象を確認するには、細かなコツ、レシピが必要だ」との主旨の発言をしていますが、それならば、その「細かなコツやレシピ」も当然「実験ノート」に、他の研究者が、トレースできるように、記載されていなければ、なりません。それが、なされていないとすれば、「NATURE論文」その他に対する他の研究者からの疑問(理研の調査委員会の調査)に答えられない、耐えられないことになります。今日の「騒動」を引起こしているのは、まず第1に小保方氏本人が、検証可能な記録をノートやPC内に記録していないという、研究者としての当然の義務を果たしていないことに起因するものです。その次に、そのような、研究者としての資質に重大な疑義のある人物を、リーダに任命し、論文公表に際して、適切な指導、助言を怠った理研の責任(前のめりの姿勢)も問題とされるでしょう。
▼関連リンク
・STAP問題、理研の対応を批判~植草氏
※記事へのご意見はこちら