17日、文部科学省で、佐賀県武雄市長樋渡啓祐氏らが記者会見を開き、武雄市で公立小学校と民間学習塾による「官民一体型学校」の創設に向けての取り組みを行うなことを発表した。
今回の武雄市の教育改革における問題意識はどのようなものなのか――。武雄市特別顧問の藤原和博氏は、現在の小学校において教員と児童それぞれに問題があると話す。教員については、30~40代の人員が極端に少なくなっており、穴埋めとして大量の教員を採用することが、競争率の低下、ひいては教員の質の低下につながると指摘。一方、児童側では、偏差値的に高い子と低い子の両極端に偏っていて中間層が谷間になっているのが現状で、これは一斉授業の弊害によるものだとしている。
それらの解決策として武雄市が取り組むのが官民一体型学校となる「武雄市花まる学園」(通称)である。この取り組みのなかで武雄市と連携をとるのは民間の学習塾「花まる学習会」。代表の高濱正伸氏は、「正しく、はやく」ではなく、「問題を設定し、人を説得する」力を持つ子どもを育てることが目標であると述べ、野外体験メソッドを生かした「青空教室」など独自の教育活動とノウハウを提供する。武雄市のタブレット配布によるビデオ予習型教育「スマイル学習(SMILE=School Movies Inovate the Live Education classroom)」と合わせてより一層充実した教育を図っていく。
武雄市は今年度夏より研究開発校の指定と、その教職員と「花まる学習会」との合同研修会を行ない、秋には「官民一体型」学校の希望校を募り決定、2015年度4月からの本格実施を目指している。
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・花まる学習会HP
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