西日本一の歓楽街として知られ、約1,900店舗が営業している中洲。そのうち約1,300軒が飲み屋であり、他の業種もほとんどが夜の営業が中心。したがって昼間は、夜の賑わいからは想像がつかないほど静まりかえっている。しかし、今となっては知らない人もいるだろうが、かつて中洲は、デパート(玉屋)や複数の映画館があり、家族連れで昼もにぎわっていたのだ。
中洲の昼に元気を取り戻そうと、あす(19日)、家族連れで楽しめるイベント「中洲桜まつり」が開催される。桜の植樹が進められている中洲大通りで、子どもを対象とした体験コーナーやアトラクションを用意するといった内容。福岡県内外のゆるキャラによるパレードや子どもたちで競い合う「キックバイク選手権」など、イベントも充実。大人も楽しめるようにと、県内各地の美味しい飲食店やおしゃれな雑貨店も参加し、50以上のブースが立ち並ぶという。
今回のイベントには、昼の中洲の安全性を年代・性別を問わず、多くの人にPRしようというねらいもある。ショッピングや映画鑑賞といった楽しみが色をうすめ、昼の人通りが途絶えるとともに、中洲の昼は、ある意味、夜よりも危険になった。数年前まで、中洲には、昼間であっても、ゲーム喫茶などの違法賭博が営業していたり、ぼったくりの客引きがうろついていたりと、とても子どもが出歩ける状況ではなかったのである。しかしそれらは、警察と中洲町連合会の取り組みで一掃された。
デパートの跡には新たな商業施設「ゲイツビル」ができた。小生の楽しみは、中洲の飲食店のランチ。すき焼きとしゃぶしゃぶの老舗「ちんや」のランチはお得で旨く、行列ができるほど。中洲川端商店街は海外からの観光客が訪れるスポットでもある。また、近くの櫛田神社や博多町家ふるさと館では歴史・文化を学べる。さらに18日には、近隣の大型商業施設「博多リバレイン」に「福岡アンパンマンこどもミュージアムinモール」が開業。初年度で50万人以上の来場者が見込まれており、そこからの人の流れも期待できる。
公共交通機関の利便性が高いのも中洲エリアの特長と言える。すでに福岡市営地下鉄空港線・中洲川端駅や路線バスに接しており、先々には、同地下鉄七隈線が延伸し、新たな駅ができる。昼においても、中洲エリア一帯が福岡県有数のにぎわいエリアになる可能性は高いのだ。
中洲のまちをあげての新たな挑戦「中洲桜まつり」に期待したい。
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