「笑っていいとも」が終了し、日本のトーク・バラエティ番組も低視聴率で過渡期を迎えているが、日本在住の韓国人通訳者からは、「いいとも」をはじめ日本のバラエティはかなり「異質」に見えたという。
「登場人物が多すぎる。どこを見ていいのかわからない。また、司会者が『司会』をしているとは思えない。『存在』は素晴らしいのだろうけど、ただいるだけのように見える人がチヤホヤされる意味がわからない」と手厳しい。「徹子の部屋」に関しても外国人は辛口で「黒柳さんは『司会』というよりただの『象徴』。原稿も読んでいるだけで、司会者として何かを聞き出しているとは思えない」
アメリカには、「ジェリースプリンガー・ショー」(BBC)、「オプラウィンフリー・ショー」(CBS)などのキャラ立ちした司会者の番組があるが、意外にも、韓国には、数十年も続くトーク番組はないという。
「トーク番組は2~3年周期で打ち切られる。需要があまりない。どちらかというと(北朝鮮との)『離散家族』をあわせる番組や、音楽系の番組の方に人気がある」と指摘する。
実際、韓国では「開かれた音楽会」という番組の女性ファン・スジョン氏や、「離散家族対面」のイ・クミ氏ら、目立たず淡々とした女性司会者が実力派として人気があるという。「韓国の長寿番組では『田舎日記』というドラマが30年以上続いていた。田舎で暮らしている家族を描いたものだが、数年前に打ち切られた。田舎に暮らす人が減り、共感を得られなくなったからだ」とのことだ。
日本でも、数年前に「渡る世間は鬼ばかり」がレギュラー放送から特別番組へと変更され、放送頻度を大幅に減らした。インターネットやスマートフォンの普及で、「現実」がテレビドラマで描ききれなくなっているのは、韓国も日本も同様だ。ホームドラマも終焉が近い。最終盤の「笑っていいとも」をはじめ、日本の番組が「異常に多い出演者」を抱えるのも、「情報をわかりやすく伝える」というより、「なんとなく画面をにぎやかす」方向に進んでいるに他ならない。
また、韓国人通訳者は「日本のサスペンスドラマは、人を刃物で刺したり、殺したりするシーンが露骨すぎる。昼の再放送の時間帯にもそういうものが放送されている。教育に悪い」と指摘する。韓国でも、殺人シーンがないわけではないが、週に1回~2回しか放送されず、再放送もないそうだ。刃物にも「モザイク」がかかったり、「新聞紙でくるんで刺す」という編集加工、構成がなされたりしているそうだ。
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