<「アベノミクス」ではなく、『あべのハルカス』に学べ>
『あべのハルカス』は今までにはない複合型施設のビジネスモデルで、新たな大阪ランドマークとなることへの期待が日々高まっている。
今回の大阪訪問取材によって、『キタ・ミナミ』の今後の発展と、大阪都心部の第3のターミナルの阿倍野が、大阪経済の復活における大きなファクターとなることを確信した。官の力が限界を見せるなか、民の底力で「沈没」とまで言われた大阪を復活させようとする"大阪商人魂"がそこにはあった。学ぶべきは、「アベノミクス」ではなく、『あべのハルカス』である。
2010年に創業100年を迎えた近鉄グループが命運を賭けて挑む『あべのハルカス』プロジェクトは、単に日本一高いビルという称号だけではない。百貨店をはじめとして各事業とも、顧客にいかに楽しんでもらえるかという理念を、徹底的に具現化している。近鉄の目指すところには、『あべのハルカス』を触媒として、阿倍野地区全体を活性化することがある。
もちろん売上目標達成は至上命令の1つだ。14年2月期の「あべのハルカス近鉄本店」の売上高は、目標の1,000億円に届かず923億円の結果であった。グランドオープンを迎えての今期の目標は1,450億円。だが、その数値をクリアすると同時に、阿倍野地区の再開発におけるリーダーとなることこそが真の目標である。
ここに、近鉄が挑戦する一大プロジェクト、地域活性化の本質を見た思いがした。
この『あべのハルカス』のプロジェクトの躍進が、大阪経済の復活の切り札であり、大阪の復活こそが日本の浮上における最大要因となるだろう。
≪ (4) |
※記事へのご意見はこちら