<大阪並みの都市力>
ミラノの人口データで見る限りから何もない平凡な都市という先入観念を持つとなると、誤りを犯すことになる。確かに福岡市の面積340km2で人口150万人に対して、ミラノは面積182km2で人口130万人。この数字を見る限り、「あれー福岡よりも小さいのか!!」と舐めてかかるようになる。
ところが、ミラノには、地下鉄が3号線まである。大体、この地下鉄を利用すれば大概の場所には到達できるようになっている。
この地下鉄に乗って初めてわかる。福岡と比べると、込み具合が全然、違う。昼間でも立っている人が目立つ。朝夕のラッシュでも福岡の2倍以上の混雑だ。
調べてみると福岡都市圏という括りで比較すると、ミラノ都市圏人口が436万人となる。行政区域の分け方が違うのかもしれないが、都市圏人口を知れば地下鉄の混雑度合が納得できる。まずは大阪並みの込み具合である。この密集した込み合いがあるからこそ、ミラノで有名なスリ産業が繁盛する。福岡地下鉄の混雑程度では、スリ行為には目撃されるリスクがある(スリ・置き引きにはくれぐれも注意を怠らないように。福岡・日本の平和ボケの人は必ず被害者になる)。
交通関係の体系を見ても、福岡都市規模と桁違いであることが歴然としている。前回、紹介したミラノマルペンサ国際空港以外に国内線主体の飛行場がもう1つある。鉄道駅は中心部にミラノセントラル駅、ミラノ北駅、ほかにもう2つ駅がある。この4つの駅からイタリア全国へ、ヨーロッパへ列車が往来している。ミラノセントラル駅に立つと、23番線まであり、3分おきに出発している煩雑な光景が飛び込んでくる。
<ドゥオーモが中核拠点>
ミラノばかりでなく、イタリアの都市造りに共通しているのは、【ドゥオーモ】と呼ばれる地域が中心に位置することだ。
地下鉄駅ドームから地上に上がると、あまりの絶景さを目の当たりにして、初めて訪問した人たちは「凄い」と絶句する。写真を参照していただきたい。ドゥオーモ(ミラノ大聖堂)が圧倒的な存在感を持って我々を圧倒してくる。
ミラノ大聖堂の屋上は、300年に渡って工事が継続してされている。エレベーターで最頂点の屋上に達する。そこからの展望は素晴らしい。歴史的な建築物が一望されるし、要所要所には近代的な高層ビルも散見される。歴史蓄積と現代・未来とが見事に調和されている。
【ドゥオーモ】には教会ばかりでなく都市国家の中枢機能が集積されているのだ。ストーン建築物の特性は未来永劫、残されるということだ。行政・裁判所・支配者の住まい跡が建設物として残されているのが、強みである。日本では精々、歴史的説明の立て看板しかない。だから迫力がまるで違う。【ドゥオーム】に佇んで、現存している建物を直面し誰でもが様々な歴史的な想像を自由にできる楽しみが持てる。
この【ドゥオーモ】周辺は、単なる歴史的な集積地だけではない。第二次世界大戦後、ミラノはモダン・デザインの発祥の地として発展してきた。この地区にはアーケード商店街が軒を並べている。世界のブランドストアーが所狭しと営業を行っている様には圧倒される。ローマにあるスペイン村よりも規模では凌いでいる。【ドゥーオモ】には及ばないとしても4カ所程度、副都心がある。ミラノはまさしくイタリア経済をリードする中核都市だ。
<COMPANY INFORMATION>
代 表:宮本 敏明
所在地:福岡市博多区板付5-2-9(福岡本社)
東京都港区南青山2-13-7(東京ショールーム)
大阪市中央区南船場4-7-6(大阪ショールーム)
設 立:1992年5月
資本金:2,000万円
TEL:092-584-2240(本社)
03-5772-3460(東京ショールーム)
06-4963-8777(大阪ショールーム)
URL:http://ritzwell.com/
<PRESIDENT PROFILE>
宮本 敏明(みやもと・としあき)
1945年福岡市生まれ。北九州大学卒業後、地場家具業界で経験を積み、イスの魅力にとりつかれて、92年5月(株)リッツウェルを創業。
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