<新たなパートナー(株)ZIPを迎える>
「もともとは、スタッフにデザイナーが1人いたことから始めた会社」と、(株)イマジニア代表取締役の藤野英治氏に聞いて驚いた。広告・WEB制作を中核とする同社は、今や建築会社(株)テツコーポレーション、スパ美容会社を関連会社に持ち、日産自動車や富士通などの大手企業をはじめとするさまざまな企業と取引を行なっている。2014年からは、建築業務を中核に各種サービスを提供する(株)ZIPを新たなパートナーに迎え、ZIPの商社として中国ビジネスを営むMCCを関連会社としたイマジニアグループとして打って出る構えだ。
イマジニアについては、「あなたの会社の企画部です」をモットーに、幅広い分野の案件をこなす。重視するのは、クライアントとの面談だ。藤野代表は言う。「ホームページやロゴマークなど会社を象徴するようなものをつくりたいというとき、根底には必ずお客さまの『これらを通して何かを発信したい』という思いがあります。その部分をおざなりにしては、良いものはつくれません。クライアントさまとしっかりとお話させていただくと、『この会社には何が必要か』ということが見えてきます。ですから受注案件をつくり終えた後も、次は何をしたいのか、と必ず尋ねるようにしています」。
たとえば印刷物等のロゴマークにしても、代が変わったのであれば、「これを機にデザインを刷新してみましょう」と提案をする。当事者では気づけないところを、第三者の視点で見てアドバイスをするというわけだ。
WEB制作に至っては、大手会社との間に、こんな逸話も残っている。まず日産のWEB制作に関わった時のことだ。当時、車業界はメーカーと販売店が別々に情報発信を行なっており、エンドユーザーの求める情報にたどり着きにくいという課題を抱えていた。この解決策を双方で模索した結果、「WEBとシステムを連動」させることに行き着き、日産の管理システム再編に関わることになった。以来、長い付き合いが続いている。次は富士通のWEBサイトにおけるPC紹介ページを手がけたときのこと。きっかけは、同社のほかに膨大な量のページと整合性を取りながら作業できる業者がいなかったことにある。同社だけが富士通の求めに、対応することができた。
日産については「相手にとって必要なものを最大限の結果につなげる企画力」、富士通については「相手の目的を即結果につなげられる機動力」が、それぞれ買われた。この2つの事例には、同社の特長を象徴するものがある。
同社は1つの業務に対し、「4つの視点」で取り組む。それは「(1)常に第三者の視点で最高の結果を出すためにさまざまなことを考え企画すること」「(2)企画としてつくり上げたものを最大限に表現するために、WEBや印刷物として伝わるものを作成すること」「(3)メディアミックス(各媒体の相乗効果)を狙い、広告効果を高めるご提案を行なうこと」「(4)クライアントが抱える目標・目的をさまざまな企画をもって結果につなげ、お客さまとともに笑うこと」というものだ。前述の2事例を見ると、この視点に忠実に事が行なわれたのがわかる。
このなかに「お客さまとともに笑うこと」と記されているが、たしかに藤野代表と話していると、始終笑みがこぼれる。楽しく話しているうちに、企業の悩みを吸い上げ、解決策を企画として提案してくれるのだから、慕われ、付き合いも長くなるはずだ。
クライアントを惹きつけるポイントは「面倒見が良いところ」。雑談のなかからお客さまを紹介する、お客さまの役に立つ情報を提供する、というのがビジネスの基本だ。中小企業の命は「人」であり、情報を得るために会い、ギブ&テイクを行ないながら仕事を成立させるのが醍醐味でもある。
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<COMPANY INFORMATION>
代 表:藤野 英治
所在地:福岡市南区塩原3-21-36
設 立:2006年1月
資本金:1,000万円
TEL:092-557-1151
URL:http://www.imagineer.bz/
<PRESIDENT PROFILE>
藤野 英治(ふじの・えいじ)
1970年3月1日、福岡市生まれ。86年、九州産業大学付属九州高等学校を卒業。物流システムの営業マンを経て、イマジニアの起業に参画。2006年1月に法人化し、07年から2代目社長に就任。「人生楽しく」をモットーに、日々仕事に邁進している。
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