高島宗一郎福岡市長の失政を鋭く抉る講演会が4月24日、福岡市で開かれた。(株)データ・マックスが主催したもので、企業経営者ら約50人が参加した。高島市長は2010年11月の市長選で初当選。今年11月に市長選を迎える。
講師には、「高島市長の天敵」と恐れられているニュースサイト「HUNTER」代表者を特別ゲストに迎えて、「高島失政を抉る!2010年、僕たちは選択を誤った」をテーマに、行政とは何か、ジャーナリズム・メディアとは何かを、根本から問い、高島市長の市政の私物化を批判した。
「HUNTER」は、2011年3月10日にスタートし、調査報道を軸にすえて、政治や行政、企業の不正や反社会的実態を明らかにしているインターネットニュースメディア。
HUNTER代表が「前回、高島さんを選んだのが間違いだったという意味で言っているんですが、『選択を誤った』僕たちの中に入っている方はいますか?」と切り出すと、何人もの手が上がった。「20万票も得たんですから、いらっしゃるんでしょうね。僕は(票を)入れませんでした。しかし僕も今日来た選択を間違ったといわれないように、一生懸命話します」とユーモアたっぷりに話を始めた。
HUNTERの自己紹介を兼ねて、ジャーナリズムの「立ち位置」を力説。「立ち位置をはっきりさせることを前面にしてきた。駄目なものは駄目。一般の報道の大半は、こっちの言い分とあっちの言い分の事実を書いて、あとは読者に『判断してください』、あるいは、お役所発表のまま。記事が『福岡市が』『福岡県が』『国が』で始まる。上から目線、役所目線だ。視点を間違っている。もう1点、大事にしてきたのは、少数意見を大切にすることだ。原発反対の方々など、役所から声を黙殺される側を取り上げた。メディアが少数意見を取り上げなくなったら、この国の報道は機能しなくなる。われわれは、困っている人はいないかと考える」
HUNTER代表は、業者選定疑惑などを挙げて、市の顧問ら特別職幹部が職務権限のないことを盾に、「収賄まがいの好き放題をやっている」と指摘。市役所ロビーの改装、オープントップバス、「カワイイ区」、中央保育園の移転問題、県警OB採用問題などについて、取材の表裏を織り交ぜながら、市政のゆがみを語った。「市長の"思い付き"で、行政内部の積み上げのない」まま、市の予算を使い、「なぜやったのか、いつどこで意思決定したか」の後付けがない実態を明らかにした。特に中央保育園の移転用地取得の疑惑では住民監査請求に発展し、監査委員から「おかしい、不透明」と断定されたと紹介し、「このままいけば、市役所は大変なことになる。議会も無視、市職員も無視、市民の方を見ていない。2期目は退場していただいた方がいい」と言い切った。
講演会では、データ・マックスの児玉直社長が主催者を代表して挨拶し、「150万福岡市民の政治感覚は一体なんなのかとバカにされないためにも、われわれの選択を明確にしなければいけない」と述べた。
参加者からは、「初めて知ることばかりで、高島市長がそこまで我が事ばかり考えていたのにあきれた」「いつもHUNTERを読んでいて、ぜひこのテーマの詳細を聞きたかった。市民に本当の情報を伝えるメディアが必要だ」などの感想があった。
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