<顧客へ提供する情報が充実>
新たなパートナーとなるZIPもまたイマジニアと同じく、「ビジネスの問題解決を図るプロ集団」として、企業の環境整備、経費節減、販促活動を行なってきた。事業は「建築事業」「OAコンサルティング」「通信事業」「BPO事業」「決算代行」「広告事業」と多岐にわたる。イマジニアは広告という流動的な分野から企業の懐に入っていくが、ZIPは内装工事、リフォームなど企業へ快適な空間を提供するという、不動性の高い分野から入っていく。間口は違うが、中核はつながっているところが興味深い。しかもイマジニアは、流動性が高い広告事業会社として安定性を図るため、建築事業を手がけるテツコーポレーションを合併している。両社がつながることで、グループ会社全体に多角的な光が当てられ、相乗効果が生まれそうだ。
イマジニアとテツコーポレーション、ZIPの3社間には、共通のクライアントも多い。今後は、藤野氏がイマジニアとテツ、ZIPの代表となり、三位一体で、ともに顧客サービスを幅広く捉えていくつもりだ。
ZIPが顧客を惹きつけていた理由には、内装、リフォームという事業の特性もあるかもしれない。建築事業は1つ物件があれば、年月が経つにつれてさまざまな角度から改善すべき案件が生じるので、自然と長い付き合いになる。最近はBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)による経費削減の提案を積極的に行なっている。提案するのはコスト削減で得た経費を、他の部分を改善するための経費に使いましょう、ということだ。客が求めるものの背景に、何を実現させたいのかという第2の目的が控えているのは、藤野代表の考え方と共通している。人も企業も、成長を求めるのであれば、良い意味で欲望は限りない。両社は、コストを削減して他に投資できる経費を捻出することによって、実現させたいものを累乗で叶える。
<必要なのは情報の真偽を見極める目>
現在、イマジニアは千葉にオフィスを持つが、この機にいよいよ東京都内へグループ会社の支店を出す予定だ。今後は本格的に東京からの仕事も増えるだろう。現在の社員数は、イマジニアで9人、グループ全体でも30名ほど。情報を扱う企業だからこそ、社員の登用には慎重を極める。信頼がおけるスタッフだからこそ、少人数で多くの成果を出せるのだ。
現代社会には多くの情報が交錯しているが、何を取捨選択すべきか、判断を下すのは結局のところ人間だ。商談相手も人間である。一方的に企画を語っても、商談相手に選ばれないことには始まらない。「私どもは、広く浅い引き出しを数多く持ち、先方の反応を見極めながら、次々と希望に沿った案件を示す必要があります。今の世の中、変化が激しくて何がどうなるのかもわからないでしょう。大切なのは私たちが何をしたいかというよりは、お客さまが何をしたいかです。望みを瞬時に判断しながら、察した瞬間に素早く正しい情報を差し出す。私たちに求められているのは、そこからどれだけの企画と効果を提供できるかです」(藤野代表)。
常にクライアントの要望に対し、最善の結果を出すことを重視している、藤野代表らしい言葉だ。
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<COMPANY INFORMATION>
代 表:藤野 英治
所在地:福岡市南区塩原3-21-36
設 立:2006年1月
資本金:1,000万円
TEL:092-557-1151
URL:http://www.imagineer.bz/
<PRESIDENT PROFILE>
藤野 英治(ふじの・えいじ)
1970年3月1日、福岡市生まれ。86年、九州産業大学付属九州高等学校を卒業。物流システムの営業マンを経て、イマジニアの起業に参画。2006年1月に法人化し、07年から2代目社長に就任。「人生楽しく」をモットーに、日々仕事に邁進している。
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