日本の民放局で主にスポーツ実況アナウンサーとして活動した吉松たかし氏が、現在、中国や台湾のテレビ局を舞台に活動の場を広げている。吉松氏は、日本のテレビ局時代、野球中継やサッカー中継の実況を担当、警察や裁判の担当記者、番組制作ディレクターなどを務めた。その後、台湾に渡り、台湾放送の旅番組「Mr.Hungry」の司会を担当。番組放送を重ねるにつれ、台湾各局からも要請がかかり、年代テレビや三立テレビの中国語トーク番組に出演。また、中台の関係緊密化を受け、中国テレビ局からもオファー、杭州の浙江テレビ「Kitchen・Star」や南京・江蘇テレビのニュース番組にコメンテーターとして活躍している。
日本人タレントが台湾か中国のどちらか一方で活動するケースはあるが、「日本での出演歴を持つ司会者が、中国と台湾で同時進行的に番組に出演する」というのは非常に稀なケースだ。
吉松氏は現在、台湾、中国での番組出演をするかたわら、福岡県内のAMラジオ局や東京都内のFM局で番組準レギュラー・コメンテーターを務め、日本でも「アジアの現状」をテーマに話している。また、取材記者やコラムニストを務めるなど、「メディア界」を基軸に活動域を展開。ジャーナリストとして台湾では元総統の李登輝氏にも取材、台湾プロ野球の球場にも取材で足を運び、選手やチームスタッフと親交を深めている。台湾プロ野球公式雑誌にもコラムを寄稿するほどだ。昨年は、台北で開催された福岡県の公式イベント「交流晩会(小川洋知事らも出席)」の総合司会を務めた。
吉松氏は「日中関係が悪化した影響で、番組出演が次々にキャンセルとなるなど、時には辛いこともある。しかし、これまでの数年で、多くの制作者やタレントと知り合うことができ、スポーツも、違った角度から様々な蓄積ができた。国は違えども、『よい番組を作って視聴者に届けたい』という各国の番組制作者の思いは同じ。これまで貴重な経験ができたし、今後も、各地に足を運んでいきたい」と話している。
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