<福岡から東京、世界へ>
大村社長は、地域・人への貢献も大切にしている。「福岡の方々が、積極的に東京や世界へ進出し、余裕のある方が、少しでも故郷へ貢献していただき、それが大きな輪となれば、福岡は異次元の発展を遂げる可能性があります。『アジアの発展を取り込む』のではなく、『福岡がアジアの中心となって発展する』。このくらいの目標が必要だと思います」と、常に福岡の発展、郷土への愛を忘れないのも『大村流』だ。
同社が福岡で手がける地域活性化事業や、社会貢献事業は数多い。なかでも、北九州市の小倉駅に直結された日本最大級のサブカルチャービル「あるあるCity」は、オープン後の1年間で約220万人を集客した。「あるあるCity」は、「中心市街地活性化」と「クールジャパン推進」、北九州市が運営する「北九州漫画ミュージアム」の趣旨に賛同し、アニメ・漫画・ゲーム、アイドル、お笑いを中心とした、クリエイティブカルチャーを世界へ発信し、地域活性化やにぎわい創出など、公共の利益に貢献することを事業目的とし、他県から北九州市への流入だけでなく、世界各国からの観光客や他国政府の視察などを受け入れている。
また、スポーツ振興として、ソフトバンクホークスのスポンサーや少子高齢化対策としてアパマンキューピット(婚活支援)、ベンチャー企業などを支援する日本最大のワークショップの誘致など地域活性化に一役買っている。
<業界はグローバル化が進む>
東京オリンピック開催まであと6年。大村社長が身を置く賃貸住宅業界も、グローバル化を推し進めている。
「2020年を特別に意識しているわけではありませんが、賃貸住宅業界がやらないといけないことは、外国人の受け入れ態勢を整えることです」(大村社長)。
保証人の問題、宗教、文化の問題、契約手続きの問題。日本の賃貸住宅の契約手続きは、欧米などの外国に比べると、敷金・礼金などが複雑で、外国人からしたら、独特の慣例がありわかりにくい。「外国人の受け入れ態勢整備についてはすでに着手しています。外国人専用の家賃保証制度を確立しましたが、これによってオーナーは外国人が家賃を滞納するリスクがなくなり貸しやすくなりました」(大村社長)と、東京が国際都市として一層、発展することを見据え、手を打っている。
すでに拠点のある上海、広州、深圳、バンコク、クアラルンプール、ペナンなどに続いて、台北、香港など日本人が多く居住する地域に展開し、日本人が海外で安心して生活できる体制を世界中で整備している。
<データの集約と共有>
消費者の利便性を高め、業界の生産性を向上させることも、アパマンショップの務めだと捉えている。そのため、日本国内の賃貸物件データベースを一元化するように取り組んでいる。「ワンソース・マルチユース」のシステムが実現すれば、消費者は正確で大量なデータを簡単に閲覧でき、豊富な情報のなかから、自分の求める最新情報をスピーディに確認することができるようになる。
「アパマンショップは、賃貸住宅という大きなマーケットに対して、1,000店舗以上のプラットホームを実現しました。今後は、賃貸生活に関連する商品やサービスのワンストップサービスを高めて、賃貸住宅の入居者やオーナーの利便性を高めたい」と大村社長は目標を語った。
コンビニの商品を安く購入することのできる生活応援のシステム導入やエネルギー、通信業界との連携など、賃貸住宅を軸に総合的なサービスを提供し、企業として、賃貸住宅に関わる生活の質の向上にも努めていく。
≪ (前) |
<COMPANY INFORMATION>
代 表:大村 浩次
所在地:東京都中央区京橋1-1-5
設 立:1999年10月
資本金:72億1,793万8,168円
TEL:03-3231-8020
URL:http://www.apamanshop-hd.co.jp/
<PRESIDENT PROFILE>
大村 浩次(おおむら・こうじ)
1965年生まれ、福岡県出身。99年10月、(株)アパマンショップネットワークを設立。2001年6月、大阪証券取引所(ナスダック・ジャパン)に上場。4年後の05年3月、名門「小倉興産(株)」のM&Aに成功した。06年7月、(株)アパマンショップホールディングスに商号変更。
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