日本においては、インターネットで使用するブラウザと言えば米マイクロソフト社のインターネット・エクスプローラー(以下、IE)という認識がいまだ根強い。だが、4月28日、米国土安全保障省が「ハッカー攻撃にさらされる危険がある」として、IEを使わないようにとの警告を発した(ロイター通信)。バージョンが「6」から「11」までが攻撃を受けた場合、大きな危険につながる恐れがあるという。
2014年3月における世界レベルの統計で、IEの使用割合は22.58%。最も使われているのはGoogle Chromeの44.66%だった。しかし、日本では、IEが49.61%と最大。約2人に1人が使用していることになる。ちなみに、ニュースサイト「NET-IB」のユーザーは55.26%がIEを使用。
Windowsのパソコンには、IEが最初からインストールされていることが多く、それが最大シェアの要因とも言えるが、性能的に他のブラウザよりも劣るIEを使用し続ける理由には、古いシステムを使用している日本の銀行や官公庁の一部が、IE以外のブラウザに対応していないため、業務上やむをえず使用を続けているケースも考えられる。
今回の警告を受けて、銀行や官公庁でも、システムの変更に着手することが予想されるが、「IEは数あるブラウザの1つに過ぎない」という認識を持たないユーザーも多く、日本においてはさらなる注意喚起が必要となるだろう。
<基本機能と思われるIE>
IEは、マイクロソフト社のWindowsに標準インストールされている。最初から入っているため、基本機能の1つと思われがちだ。しかし現在は、メーカーからセキュリテパッチが正式に発表されるまでは、ChromeやFirefoxといった他のブラウザへ切り替えたほうが良い。
なお、IEでも、最新バージョンである11なら、設定をいじって「拡張保護モードを有効にする」ことができれば危険性は軽減できる。一方、WidowsXPを使用しているパソコンには、IEのバージョン8までしかアップデートされていないのでご注意を!
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